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どこにも行けない場所から 詩を届ける

1 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/08(木) 20:41:27 ID:GWiWIbXw
特にテーマなど無く自由帳のような感覚で詩を書いてください。
投稿作品への批評も歓迎します。


2 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/08(木) 20:57:27 ID:GWiWIbXw
「水」

ねぇ僕の目の前に水が入ったコップが置かれて
透明な液体が気持ち良さそうにその中で浸っている
僕にとって水はありふれた物で
どこに行っても手に入るし欲しがらなくても空からも降ってくるんだ
何しろこの星の7割は水で出来ているし
この僕という存在自体半分以上が水だって授業で習ったっけ

僕はただの水を見つめながらその広大なる可能性と世界の起源を見つめているようで
自分までがその透明さにすっぽりと取り込まれてしまったみたいな気分になった
僕の中に詰め込まれた色々な情報を全て取り払ってしまったら
僕もこんな風になれるのかなぁ
僕はゆっくりと水を飲み干す
当たり前の温度と色と味とをゆっくりと
その感慨の湧かないありふれた感触が だけどいつまでも舌の上で
不思議な異物感と奥底からの共鳴とが残り続けていた


3 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/09(金) 04:57:10 ID:qfi6gwgl
「白日」

歪みの際立った扉から
ねじくれたピエロがご挨拶
けたたましく陽気な音楽が流れ始め
僕を取り巻くみんなせいので笑い出す

まるで穴の空いたオゾン層の衛星写真のように
僕の周りだけ冷たい空気で浸され
熱帯雨林のような喧騒に閉じ込められてしまって
得体の知れない暖気が領域を侵食していく

僕の顔の筋肉はぴくりぴくりと痙攣を始め
堪えがたき恐怖が笑え、笑うんだよと呪文をかけてきて
口の端から三日月のように釣り上がっていく
とうとう僕は糸で操られたように笑い出した
声まであははと漏れ始めた

みんな僕の方を見ていて
そしてみんな気持ち悪いくらいしわくちゃの笑顔で
笑い方のお手本を見せるようにあははあははと笑い続けて
ピエロは狂騒そのもののように愉快に踊り周り
音楽は寄せ返す度に大きくなっていく波の様に果てしなく盛り上がり
操りの糸はピアノ線のようにぴんと張りつめてぐいぐいと僕の顔の筋肉を引っ張っていく
もう何が何だか分からないけど
僕も大声を上げて笑った
ボルテージの調節ネジが捻じ切れてしまうぐらい腹の底から笑ってやった


4 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/09(金) 04:57:51 ID:qfi6gwgl
(続き)

全ての音が止み
ピエロは動きを止める
みんな機械みたいに冷たい目で僕を見ていた
一つ一つの眼球が凍りついたビー玉みたいに
光を透さない薄い青色
口元には岩扉のような固い無言がこびり付き
沸騰した僕の周りから全ての温度は取り払われてしまった

静かに光が失われていき
白い闇に全てがかき消えて行く間際
声が聞こえた

やっぱり、そうだったのね




5 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/09(金) 05:15:52 ID:qfi6gwgl
「蜃気楼」

酷く蒸し暑い夜だった
盛り場の寝付きの悪い子供のようなダンスホール
薄暗闇を蠢く人影の群れから白い人型の光
夢でも会えないんじゃないかと思うほど奇跡的な理想の女
すっと差し伸ばされる君へ続く道のような白く細長い手

踊りましょうよと君は誘い 
僕はそれに乗った
真夏の生暖かい君の体温が緩い波のように僕を包んだ
甘酸っぱい香りが空間を漂い口の中まで広がる
原始的な湿り気が体内回帰のような安らぎをもたらして
僕はヒューズが飛んだように君に飛び込んだ

眠りはどこまでも深く
別の世界に落ちていくような感覚を超えて
僕はベッドの上にいて
そこに君はいなく 
君の着ていたシルクのワンピースと
心臓のように赤いレースの一対の下着と
化粧品と財布と手荷物と
鬘と付け爪と義手と義足と君のお面があった
シリコンボールが二つ床に転がり
卑猥な形をしたゴムで出来た穴の空いた器具も転がっていた
昨日の粘液がどろりと生臭くぬめっていた

空の彼方に蜃気楼のような夏空があった

6 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/10(土) 11:14:58 ID:ZcZtkcRW
「トマト」

頭が潰れたトマトみたいにぐちゃぐちゃになった日には
破壊衝動の赴くままに君とセックスしたいんだ
味のしない乳首を吸い続けて君が汗ばみ変な分泌液出るまで吸って吸って吸い続けてさ
君の反応なんてお構い無しに獣みいたいに君を圧倒し続けたいんだ
凄い言葉を君に吐かせて君の脳細胞もトマトみたいにぐちゃぐちゃにしてやるんだ

そうと決まれば善は急げ
アクセル踏み込み加速に加速 カーブが来たらまた加速
最短記録で君の部屋の前
狼が鳴らす忙しないチャイムの音に無言の返事が30秒
そしてようやく慎重な扉がぎぎぎと開いて
幽霊のような目をした君が佇んでいた

僕の潰れたトマトの煮汁は君のご機嫌取りですっかり冷め上がり
君の気のない身体を実直な公務員みたいに丁寧に愛撫したんだ

何で槍を持つ男が 刺されるだけの女にどうしたって勝てやしないのかなぁ


7 :  ◆UnderDv67M :2007/02/10(土) 21:46:43 ID:v+SyP0uC
それってチラシの裏とどう違うわけよ?

8 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/12(月) 20:16:12 ID:gLcffTZP
>>7
初めてのお客さんだ、嬉しい。

はい、このスレはチラシの裏そのものです。
でも私はチラシの裏に詩を書くの好きなんです。
詩なんてある程度の数書かないと掴める物も無いと思いますし。
自己満足に陥らないよう、時々大会とかにも名無しで参加してますけどね。


9 :  ◆UnderDv67M :2007/02/12(月) 20:32:36 ID:Sn7nnk87
あっそ、ageてやらんぞ消えんぞ

10 :Mana魔名:2007/02/13(火) 21:41:41 ID:uufwJU7v
どんなに答えを求めても、触れそうになる瞬間に消えて無くなってしまう
ここでは見付けられない 分かってはいるけれど ここを発つ勇気も無い
にじむ景色に流されて、雲の白さに目が眩む この空がひどく広い所為だ
もう二度と聞こえてはこない声を思い出すたび、ひどく胸が掻き毟られる
行き着く先は蜃気楼 実体の無い悩み尽きぬ人達が、今日も仲良く蟻地獄
けれども悩み苦しむことから逃げ切れずに、あてのない堂々巡りをこなす
なくした物はどこに在るのか、探し疲れて眠るまで、ずっと気にしている
いつかこの呪縛を解く魔法使いは現れるのか 居るなら君であって欲しい
場面が変わるごとに差し替えられる表情 くるくる廻るメリーゴーランド
所々途切れ途切れに映し出される思い出 からから廻る古びた映写機の様

11 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/15(木) 01:42:30 ID:BkreBDeX
>>10
二人目のお客さんだ。しかも作品を投稿してくれた。わ〜い。

読んだけど、何だか難しいですね。
出口の無い堂々巡りに重苦しい気分にさせられます。
私とは作風がかなり違いますね。
人様の作品を批評できる身分では無いので感想文ですみません。


12 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/15(木) 01:50:20 ID:BkreBDeX
「花火」

失ったものが夜空に突然打ち上げられて
きらきらと輝いたら素敵だろうな
たとえその後永遠の沈黙に帰してしまったとしても

目の前にあるものは形ばかり明瞭で
通り過ぎてから皮肉な程きれいに光り出す
振り返る事でしか存在に気付けないものばかりだ

抱き締める力を腕に宿しながら
体温ばかり上昇して空気はよそよそしい位クールに保たれて
映画を気取るように形骸の台詞を二言三言
見てくれの美しさを時間が無惨に暴き出してしまった

過ぎ去ったありふれたものを一度でいいからまとめて夜空に打ち放ちたい
その後全てが無くなって構わない
始まりも終わりも分からないまま投げ出されたストーリーが
澱んだ闇の中で泥のようにのたうっている

13 :名前はいらない:2007/02/15(木) 07:32:12 ID:H+64uJkM
>>11
Mana魔名氏は詩板の名物だよん。
特徴は・・・「たてよみ」。

ど んなに答えを求めても、触れそうになる瞬間に消えて無くなってしまう
こ こでは見付けられない 分かってはいるけれど ここを発つ勇気も無い
に じむ景色に流されて、雲の白さに目が眩む この空がひどく広い所為だ
も う二度と聞こえてはこない声を思い出すたび、ひどく胸が掻き毟られる
行 き着く先は蜃気楼 実体の無い悩み尽きぬ人達が、今日も仲良く蟻地獄
け れども悩み苦しむことから逃げ切れずに、あてのない堂々巡りをこなす
な くした物はどこに在るのか、探し疲れて眠るまで、ずっと気にしている
い つかこの呪縛を解く魔法使いは現れるのか 居るなら君であって欲しい
場 面が変わるごとに差し替えられる表情 くるくる廻るメリーゴーランド
所 々途切れ途切れに映し出される思い出 からから廻る古びた映写機の様

14 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/15(木) 18:20:06 ID:A4S9UnAK
>>13
そんな隠れメッセージが!
という事はこのスレのために書き下ろしてくれたんですね、嬉しい!
私もやってみようかな。

どれくらい目を閉じていたのか
これから先の未来に光が見当たらなくて
にげ水のような希望を追い掛け回すのも疲れたし
もっともっとと競り立てる欲望の声に耳を貸すのもうんざりしたんだ
行動すればするだけ消耗されていく
けなされない消去法の選択肢ばかり探すようになり
なじられてもへこたれない様な柔らかい弾力を身に付けてしまった
いったい僕は誰になったんだ
場面が切り替わるたびに自分が他人になっていく様で
所在不明のIDだけが遠い場所から今日も僕を睨みつけている

15 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/15(木) 18:37:06 ID:A4S9UnAK
たまには上げてみようかな。

「蘇生」

ぐったりと地べたに噛み飽きたガムみたいに体をへばり付けて
もうこのまま死のうかなと思った
誰も止めやしないさ 俺自身ですら
もう何もかも失って 文字通り何もかも失って
唯この体一つ残されたのはきっと一番要らないからだろう
引き取り手のいない俺なんて俺すらもいらないさ

なぁ地球 
俺の体にひどい雨をざーざー降らし 俺を殺してくれないか
地球の土にしてくれないか
面倒くさければ地震でも起こして大地に飲み込んでくれ
俺みたいなどうしようもない屑を生んだ責任とって
俺を殺してくれよ


16 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/15(木) 18:37:59 ID:A4S9UnAK
(続き)

地球にも相手にされずに当たり前に夜が来て深い闇に星が見えた
これだけ星があって 見えない星もあって 
俺の脳じゃ測りも知れない可能性見せつけやがって
何で俺はこの星なんかに生まれちまったんだ
まして何で俺なんかに生まれちまったんだ

ばかやろー 俺はまだ口がきけるぞ ばかやろー 地球のばかやろー 神とかいうやつのばかやろー

夜が役目を終えて 朝が起き出して
文明の街が太陽を浴びて活力を漲らせていく片隅で
ちっぽけな蟻が歩き出していた
砂糖の欠片一つ持たず ふらつく足取りで
だけど 立派な命を抱えて歩いていく
大丈夫、簡単にくたばりゃしないさ
人ひとり存在する事の大きさは
海にも空にも例えられる
大袈裟だと思うあなたは知らないだけだよ
人の秘める可能性って本当に凄いんだぜ

17 :名前はいらない:2007/02/15(木) 19:07:06 ID:EVHIIcdx
ゴミスレ

18 :名前はいらない:2007/02/15(木) 19:21:21 ID:EVHIIcdx
誤爆

19 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/15(木) 22:33:37 ID:kvjpigSR
くすん・・・くすん・・・
あげるんじゃなかった
また地下に潜ろう・・・
もぐらになってもぐらと冬の地中に眠る草花と地底人のための詩を書き続けよう。
分不相応に光なんか求めた私が馬鹿でした・・・

くすんくすん・・・

20 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/15(木) 22:48:07 ID:kvjpigSR
「地底から愛を込めて」

大地と煮えたぎるマグマの間にどれだけの大陸的な世界があるか想像してごらんよ
君の足元にある敷き詰められた土なんて金太郎飴の一断面に過ぎないんだぜ
幸運にも一番最初に世に出ただけで君は太陽を独り占めにし
雨も雪も全部真っ先に味わって搾りかすだけこちらに寄越すだけ
強欲極まれりだ、それじゃ友達出来ないぜ

深海よりも深い絶望 
人類なんて誰一人気やしない
ダイナミックな地殻変動をあと何万世紀待てばいいのさ
潜水ばかりしていないでさ
宇宙にばかり飛んでないでさ
文字通り足元にも目を向けてよ
地球の中心にある太陽ともう一つの世界にも

アーアー こちらは今日も真っ暗です
天気予報は土のち土、平穏な毎日が続きます
時々僕らが震えてみえば 地上はちょろっと賑わうね
僕らの身震い 愛されてるの
地底より 地上のあなたに メッセージを届けます
あなたの毎日触れている大地の遠く遠く だけど繋がった場所から 僕達のメッセージ
不器用な僕らの元気を伝えたい
とても分かりやすくて 僕達を思い出してもらえるような 大きな震えを 送ります

地底から愛を込めて

21 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/15(木) 22:55:39 ID:kvjpigSR
駄作だ・・・。
お客さんも来ないし、短詩でも書いて今日は寝ようっと。

「アイボン」

網膜に焼き付いた気味の悪いリアリティーを
洗い流したらねっとりとした油がアイボンの溶液に浮かんでいた
僕は随分ひどい景色を見ていたらしい


22 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/15(木) 22:56:36 ID:kvjpigSR
「スーパーノヴァ」

光は一瞬
闇は永遠
だけど誰も闇を覚えず 光を忘れない

23 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/15(木) 22:57:45 ID:kvjpigSR
「動物園」

動物園にいる人間を観察するのも面白い
動物のいない場所では見れない表情をみんな見せるんだ

24 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/16(金) 00:58:31 ID:wKtmWm/Y
「パンダ」

眠れない夜が続いて僕の顔はパンダになった
君は可愛いと喜び おお、よちよちと顔を撫で回す
パンダだって野獣なんだぜと僕は襲い掛かる
君はいくつもの感情が混じり合った笑い声を上げてベッドの上を転がりまわる
夜は月の動きに合わせて空をくるりと一回転し
その間に僕達は三回交わり二時間眠った

そうして僕のパンダはもっと酷くなって行く
男なんて本当に熊猫だなと呟いてみたけど
意味分かんないわと言い返されたら全く同感だ

25 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/18(日) 14:00:42 ID:I+rReCxv
部屋を片付けようとしている自分自身を励ますための詩

ハイネケンビールばかり飲むのが生活という訳でもあるまいに
散らかった光景が前衛的に見えるのはほんの最初だけ
時間の経過と共に訳の分からない微熱みたいな恍惚は冷め
後に残るは意味を持たない巻き散らかされた混乱
さぁ片付けよう やれ片付けよう
今日は日曜日 ピクニックも映画もいいけど掃除もね
さくさくと新鮮なキャベツを刻むみたいに小気味良く片付けましょう
まずは床の上を綺麗にしよう
歩く場所すらままならない 
足場の確保は何事においても基本中の基本
お次は散らかった雑品の整理
便宜的に大雑把な分類をして 便宜的に場所を与える
後は勝手に馴染むでしょう
生活なんて服を着こなすようなもの
買ったばかりの新品もやがて着心地の良い堕落したビンテージ
あらゆる要素に対して最もふさわしい落とし所が出来上がるのさ

さぁさぁこんなくだらない詩を書いてないでさっさと掃除を開始しましょう
時間はたっぷり、ゴミもたっぷり
何も遮るものは無い

いいからさっさとやらんかい!
この馬鹿たれが!!
いつもそうやってまったりしているうちに手の付け所が無くなる位散らかってしまうんだろうが
学習しなくていいから手は動かせ
死ぬまで性格は直さなくていいから体を動かせ
片付けろ
でないとお前がゴミだぞ

(一時間後に休憩を兼ねて『お掃除の詩 2』を投稿予定)

26 :名前はいらない:2007/02/21(水) 20:44:22 ID:5ws3PFWa
25〜、ゴミに埋もれてるのか? (オレもまったり似たようなとこあるから心配だ)

27 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/22(木) 07:08:02 ID:WzAT4Whr
あまりにも下に沈みすぎて寂しいのでアゲ

>>26
こんな過疎スレをよくぞ発掘してくださいました。
ただゴミとは失礼ですぞ。
全て私の生活を彩る大切なパーツです。
時々ブルドーザーで一掃してやりたくなりますが。
なお、その後の経過はこちらのスレで。
分かり易いくらい坂道を転げ落ちていくのが手に取るように分かります。
ちなみに今も坂の一番下でくつろいでいます。
もはや上を見上げる気すらありません。

http://book4.2ch.net/test/read.cgi/poem/1171775534/l50

28 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/02/22(木) 07:10:01 ID:WzAT4Whr
「彩り」

君の色に染められたいと思いながら
気が付けば君も僕に染まっていた
二つの原色が混じり合って溶け合いながら
やはり互いの境界線にある柔らかい弾力
水と油ほどでは無いけれど
マーブリングのように綺麗で少し悲しい

新しい世界でたくさんの色を見つけて
古い世界は次々と色を失っていって
だけど新しい色が古い色に彩色するように
その二つの世界も時には偶然の結び付きでカラフルに輝く
そして僕は失っていなかった事に気付く
手元に無くてもちゃんと在ったんだ

単色も淡色も 原色も極彩色も モノクロもセピアも 
たくさん集めれば 彩りになる
大地に撒かれた色んな種類の種のように
生活に取り込まれた数え切れない色が僕を励ましてくれる


29 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/03/25(日) 02:39:36 ID:vwV71rKe
「独り言」

答えなど無い
当然の答えにとうとう辿り着いたんだ
世界は広く 時は無限だ 
その中で缶詰みたいに賞味期限の決められた僕に 何が出来て 何が知れる
何かを生み出すために生まれて来た訳では無いし
何かを消し去るために死ぬ訳でも無い
理由など求めるのが愚かだ
生まれて、死ぬ
その二つの点を結ぶどこかに今位置している
それは認めよう それだけは確かだ
そして後は白紙なんだ
この漂白された空のように
いくら書き込んでも白紙に戻るんだ

希望は要らない 絶望なんてもっと要らない
ただ目の前に起こる事象と 胸の奥に沸き上がる感情
それと幾ばくかの打算的な勘定 でも結局はそれなりに純情
そんな下手くそな自分が嫌いじゃないんだ
好きにまでなりたくはないけど 嫌いじゃない
寄り道した道端で色々な面白いものを見てきたんだ
ただ擦り合わせの出会いと別れもそれなりに楽しんだんだ

最短距離で走り続けたって 数直線を伸ばせる訳じゃない
誰も見てやしない 
仮に歴史上に名を残したって 
未来人の子供のテストの点稼ぎの記憶として貼り付けられて剥がされるだけ

いいじゃないか こんなジョークばかりの人生だって
人より確実に多く笑い 多く笑わせた
その満ち足りた時間の温かさがいつか 失われていく僕を笑顔で送り出してくれるだろう

答えなど無い
そして要らない


30 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/03/25(日) 02:42:38 ID:vwV71rKe
「cross road」

祈れば叶う
そんな弱気な信仰をぶら下げて
たどたどしい歩みで街を渡ってゆく

交差点で取り交わす視線のやり取り
何も生まれない駆け引き
青の鼓動が止まり赤が灯る
鋼鉄が低くうなりずるりと加速を始める
色の支配下で切り替えられていく景色
異様な光景
だけど誰も興味を示さない
自分自身に精一杯というのもあるし
いちいち世界を再検証などしていられない

今日も弱気な信仰で
交差点を斜めに渡ってゆく
一瞬だけ共有できたような温かみと
触れ合わずに過ぎ去ってゆく寂しさが
後ろ髪を掠めても僕は

交差点 すれ違う場所
重なり合う瞬間すら
通過するための行程
弱気な信仰よりも
信じたい気持ちをぶら下げて
結局ひと時の交わりも無いまま
今日も匿名希望同士が擦れ合うだけ

31 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/03/25(日) 02:47:46 ID:vwV71rKe
「鼓動」

まだ闇が濃い東の空を鳥が飛んでいく
巨大な光の割れ目を目掛けるように
その姿まるで 大いなる世界への挑戦者

再生と死の象徴のような夜明け
何もかもが無事では済まず
何もかもが滅びもしない
そんな世界が動き出す

ゆったりと移動する巨大な光に照らされて順次 眠りから醒めていき
光の去った後からゆったりと飲み込んでいく闇に順次 呑まれぬために別の内なる闇に身を委ねる
この星の生き物が今日も星のリズムに乗せられて 鼓動を刻んで 息吹を呼応させて
そして生きたり死んだり産まれたりしている

全てを包み込む 大地と空と 光

32 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/03/25(日) 02:49:49 ID:vwV71rKe
「確固たる僕達の世界」

今僕が笑いながら話している内容なんて
明日になれば誰も覚えちゃいない
僕を含めてね

低気圧と高気圧が季節と共に入れ替わり
あらゆる森羅万象が生まれては失われ、損ない取り繕いあるいは変質し
すべからく刻々と移り変わってゆくのに
時折、全世界の平均値を掬い上げてみれば見事なまでに平行線
誰かが誰かの代わりを演じて
その誰かをまた代わりの誰かが演ずる
組み上げられた見事なシステム
この地球を覆う海のような雄大なる安定

だから僕がこの世界からふっと消えても
さざ波のような幾つかの感情と儀式が終われば
僕のいた場所に知らない誰かが納まるのかな

せめて僕ら精一杯笑いあって
気を抜けば馬鹿馬鹿しくなりそうな日々の営みを
騙し騙しやりこなしていこうよ
目に触れないもう一つの
確固たる僕達の世界には
システムとやらも無関心らしいから
過去も未来も知った事かと僕ら
非生産的な馬鹿話を目一杯、死ぬまで話し続けてやろうよ

確固たる僕達のもう一つの世界には どんな政治家も 法律も お金だって
介入できないし させちゃいけないんだから

33 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/03/25(日) 04:44:25 ID:vwV71rKe
「粉雪」

降る 白い粉雪
俺はじっと立ち尽くす
舞う 氷の結晶
繊細で微細な儚き命

この俺の命 鈍重で空っぽ
この俺の心 鈍色の曇り空
でもどうしようも無く往生際が悪くて
今日も明日も死ぬ気配など欠片ほども無く

ああ 粉雪
お前と俺は不平等だよなぁ
醜い俺は無様に存在し続けて
綺麗なお前は存在の証など残しもせずに
すっとこの地から消え去ってしまって

でもな 粉雪
俺はそれだけ苦しんでもいるんだよ
このどうしようもない姿を無様にさらして

でもな、選べるならやはり俺は俺を選ぶよ
綺麗になど消えていかず
往生際悪く足掻き続けるよ
すでに散々悪足掻き中なんだ
お前は選べるならどっちを選びたい?
なぁ 粉雪


34 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/03/25(日) 04:45:48 ID:vwV71rKe
「夜明け前」

ベッドから見渡す狭い空間は温度を失った亡霊のようにように青白くて
ぼわりとした薄暗闇できっと両目は輝かずまだ夢に溶けたまま
平熱で目覚めてしまってつまらない朝
窓の外には月曜日が待っている

蛇口から当たり前に出る水なんてそのまま海まで行けばいい
邪魔はしないし関心も無い
冷蔵庫からペプシ・コーラを取り出す
青い容器から泡立つ黒
呼吸もせずに飲み干して
焼け付いてしまった喉よりも胃がもっと痛い

読み古した雑誌を広げて
30年前の世界地図のように眺める
何も与えず何も奪わない
そんな奴らばかりずいぶん増えたなぁ
世界が回る速度は変わらないから
僕達が勝手に下手くそになっていったのかなぁ

カーテンを広げて夜明けの景色を見る
なかなか見事な出来栄えじゃないか
地平はワインレッドのオーロラが広がり
グラデーションは宇宙へと続いている
窓も開けて現実の温度と空気を味わう
僕など無関心に凛と張り詰めた大気に触れて
この世界が星の上にある事
ひれ伏すように素直に認める

誰にも媚びず誰にも惑わず
ありのままに日々を送れないかなぁ
そんな呟きも二つの針が執行猶予を削っていき やがて
見慣れた世界を見慣れた僕が歩き出すのだろう

気まぐれなメランコリーだなと紋切り型な台詞を吐いて
まだ何も入れられていない空白の今日に
まずは世界情報を入力する

35 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/03/25(日) 04:46:27 ID:vwV71rKe
「葡萄」

怒りが葡萄のように赤く熟してぶら下がってる
酸味の強い唾液で舌が乾いて仕方が無い
静けさに横隔膜がぶるぶると震えてしまう
じっとりとした蒸し暑い季節のように頭が熱い

裏切られる事に慣れるべきかも知れない
見栄えのいい紫で表面を覆ってしまえば
人工の甘味料で鈍痛のような苦味を緩和してしまえば
それほど損なわれる事なく落とし所に落ち着くのだろう

俺は駄目だな
とても市場に並べられるような葡萄じゃない
人など踏み入れない森の奥で鹿や熊を相手にしているのがお似合いだろう
見てくれも悪く酸味が強すぎて口当たりも良くない
そんな葡萄を命の水のようにその身に受け入れてくれる連中のために
生きていくのも悪くは無いさ
実だけは腐っていない自信はあるしな

36 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/03/25(日) 04:50:15 ID:vwV71rKe
「砂漠の旅」

暴力的に照りつける太陽に身を隠す場所も無く
だから僕は無防備さをさらけ出して進んでいく
影の形が時と共に変化して行き
まるで存在そのものが日時計代わりさ

水筒に詰めた液体はいまや最高のご馳走で
流れ落ちる汗と共に価値観まで入れ替わってしまいそうさ
無鉄砲が過ぎたかなと思いつつも引き返す事はしない
戻る事なら散々やって来たんだ
うんざりなんだ、プラスもマイナスも無いゴールなんて

すでに太陽は消え代わりに漆黒の闇
奪い去られた温度と視界
与えられた本物の恐怖
僕は命を死神に握られた感触を臓腑にざらりと感じたんだ
体験した事の無い冷たさ 背骨に氷の塊を突っ込まれたような
これが本物の恐怖

嫌だ、   嫌だ!

そして僕は結局引き返した
暗闇の中仄見える薄明かりを目指して
ようやく街にたどり着いた時、ちょうど夜明けが迎えてくれた
ただ無意味に己の命を危険に曝したこの僕の愚かさを
笑うでもなく蔑むでもなく
ただ美しく染め上がった空に
僕は浄化されていくものを確かに感じたんだ
そして誓う もう二度とこんな真似はすまいと

僕は失ってばかりではないし
仮にそうだとしても代わりに誰かに与えているんだ
そう心から思えたんだ
多分この瞬間が去れば消えそうなこの気持ちを
僕は暗闇で目指したあの薄明かりのように
消さないようにこの胸にひっそりと灯し続けようと思う

渇きはまだ消えない
だけどこれからは 
素直に水を欲しがり 
あるがままにこの身を潤そう

37 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/03/25(日) 04:53:53 ID:vwV71rKe
「殺意」

葉緑素を持つ武器なんて使い物にならない
純粋無垢な殺傷能力が欲しいんだ
不凍の川を泳ぐ魚の背鰭のような銀色で
佇む端から形而上の視覚風景を切り裂くような

機能的で無駄が無い
すべからく万物はそう在るべきなんだ
殺意と行為と結果の演繹関係に不純物など挟み込むな
マヨネーズみたいな多義性など不要
要は迷いたいだけなんだろう チキン野郎が

さてとさっくり行きますか
これが俺の真の姿
誰が優柔不断の日和見男だ
目論見違いの代償はお前の命
この夜にお前の人生は終わり
同じ夜に俺の人生は始まるんだ

俺の怒りまるで純度300%のタバスコ
永久駆動機関よろしく全て行為に変換したぜ
さぁお前の部屋は目の前だ
あんな窓ガラス今の俺にはクラッカー
こんなカーテンこの殺意の前にはオブラート

あれおかしいな、何で俺泣いてんだ
何で殺意が全部涙に化けちまってんだ
ああ、そうか俺 本当は思い切り泣きじゃくりたかったんだな
お前が本当に狂うくらいに好きだったんだな
怯えるお前の涙すら愛おしくて 塗り固めた嘘など洗い流されちまったよ
殺意という名の嘘で塗り込められていた
本当の脆くて情けなくて純情な俺の恋心

38 :名前はいらない:2007/03/25(日) 14:53:36 ID:fIBtyR7K
せめてsageろチキン

39 :名前はいらない:2007/03/25(日) 21:59:27 ID:5/QcOvK5
相手の願いは映すのに

自分が望むものとらえられない

不思議な鏡


たとえ一瞬でも

あなたの中で輝けた
嬉しかった
すごく嬉しかった


鏡の前で涙がとまらない

傷つけてばかりいるひどい人間なのに

許してほしいと泣いている

40 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/04/03(火) 00:18:26 ID:50YATP88
「不安」

輪郭の無い不安を撫で回して 
何とか形を探ろうとしても
あまりにそれは取り止めも無くて
なお一層撫でれば撫でるほど
むくむくと膨らんで
みるみる巨大化していく

でもそんな実体のない不安
誰かの皮肉にちくりと刺され
あっという間に萎んでしまって
見回しても跡形も無い

だけど何も無くなったらなったで
それが新たな不安を掻き立てて
またむくむくと不安を育て上げていく

尽きる事のない不安 まるで慣れてしまわないためみたいに

41 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/04/03(火) 00:23:18 ID:50YATP88
「ショーケース」

海外へ行く飛行機を見上げて
僕は金が無いだけで遠くへと行けないのだなと
押し付けられた無力感に襲われた

椰子の実に溜まった甘いジュースを飲んで
ありのままに降り注ぐ太陽を全身に受けて
好きな音楽を好きなだけ聴き
気まぐれに本を開いたり閉じたりする
金が無いだけで僕は何も許されないのだな

家に帰るとくたびれた両親がぼそぼそと小言を並べて
見飽きた食べ飽きた献立をテーブルに並べる
何も知らない妹は無口な僕をきょとんと見つめてる
お前も今に分かるさ
煌びやかな情報は特定の人達の為にあって
俺達は色んな可能性を見せびらかされてるだけだとな


42 :名前はいらない:2007/04/03(火) 16:48:28 ID:k/sOFYJr
「平日」


50日後 終わる頃 どうなっているのかを考えると

少し元気が出て
少し落ち込んで

知り合ったたくさんの人達には

一瞬で終わる人が存外たくさんいて

フラット

少し違ってる
少し違ってる

メンタルの誤差

フラット、休めという指令が出ているみたい

43 :名前はいらない:2007/04/03(火) 16:53:47 ID:k/sOFYJr
書いておいて、自分でもあんまり好きになれない。

44 :名前はいらない:2007/04/03(火) 16:56:08 ID:k/sOFYJr
なんだこれ困ったな‥

45 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/04/04(水) 20:54:25 ID:uoXi4lEF
ここは評価スレじゃないので感想文でごめん。
そんなもの僕に全然望んでいなければもっとごめん。

>>37
自分を鏡に例えたのは面白いと思います。
今度僕もこのテーマで一作書いてみようかな。

>>42
50日後の(恐らく長い)休日を目指して並べられた平日をひたすら頑張っている姿かな。
うーん、もう少し分かりやすく書いて欲しいな。
フラットという言葉に込めた思いを具体的に表現すると良かったんじゃないかな。


46 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/04/07(土) 09:04:35 ID:Oul9S3xy
「そして誰もいなくなった」(1/2)

誰もいなくなった家に不動産屋が見積もりに来た
一つ一つの部屋を周り 見積書に何か書き込んでいく
たった一人の僕はそれを見ていた
彼が何をしようと もう何も損なえないし 何も蘇らない

昔その家に朝が来ると
妹が洗面所で似合わない化粧をしていて
親父はトイレに新聞を持ち込んで歯まで磨くんだ
母は色んな場所へ声を張り上げながら大きなフライパンと格闘し
僕は世界なんて終わっちまえと呟きながら執行猶予の温もりにしがみ付く
じいちゃんは線香臭い部屋で毎朝何しているやら
雑然とした日常風景が規則正しく繰り返されて
僕は朝が来るたびに欠伸をしていた

平凡な家族には平凡な不幸という訳なのかね
確かに珍しくは無い話だけどさ
あんまりじゃないのかな
アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」みたいに
順番に消えて行ったんだ
父は突然行方をくらまし
母はすでに手遅れだった
祖父はもちろん歳が歳だし
妹は新しい家族を作った
僕と家だけが残されて
僕もどこかへ行かなけりゃな

妹の声が遠い受話器から届く
かって一緒にお風呂に入り同じ布団で体温を分け合った女
もちろんもう指さえも触れる事は無いだろう
距離だけの問題じゃなく
会話の裏側からかん高い泣き声が響き
慌てたように「じゃあ、またね」と遠いまま電話は終わる


47 :スカイレイ ◆wblvVsoH96 :2007/04/07(土) 09:05:16 ID:Oul9S3xy
(2/2)

僕は一人ぼっちになった家と最後の夜を明かす
誰も語る相手もいなく ただじっと目を閉じると
色んな音や匂いや声 乱雑に色が入り混じり やがてありふれた全員揃った場面が見える
「あんた、まだご飯粒が残っているわよ」
「おい、ドレッシング。違う、ゴマの方だ」
「ちょっと、私まだそれ食べてないんだけど」
「それよりお湯を少しくれんかね」
「別に、特に何もないよ」

「別に、特に何もないよ」

静かに涙が落ちる
何でもない時間の何でも無い瞬間
深い意味を持たない言葉
別に輝きはしない
だけど消えない

全ての電気を消して僕は眠った
月の光が綺麗な夜だった
「さよなら」
軽く呟いた言葉が重く僕に圧し掛かる
そして僕の存在は耐え難いほどに軽かった
自分一人では上手くバランスを取れない
僕もどこかに行かなけりゃな


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