5ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

宝物

1 :春華:2001/08/14(火) 00:14
生きてほしい
ずっと笑っていてほしい
命って
何より素敵な
あなたの宝物だから

2 :名前はいらない:2001/08/18(土) 04:52
>>1
メチャクチャワラタ

3 :卍 ◆9wiSx8CY:2001/08/18(土) 05:00
>>1

ワラタ

4 :yki ◆6HLZyvNs:2001/08/18(土) 07:30
始めましてm(_ _)m






沖縄の諺にあるよ。
「ぬちどぅ たから」

5 :名前はいらない:2001/08/18(土) 11:09
>>1
遅レススマソ
かなりワラタよ

6 :OHATU:2001/08/18(土) 13:02
はっきり言って、うまくない。てか、下手。

でも、これを書くのって勇気いったはず。それには拍手。
せっかくだから、伝える努力してみようよ-。
あしは、批評は出来んけど、うまい人に見てもらうといいよ。
−−−−−
『no response』

聞こえないように 言うよ
届かないように…

一途にいてよ ねえ

届かないように
 届けられたら いいのにね
−−−−−
てか あしも下手です。
結構みんな下手くそだから気にすることないよ。
ねえ、パンダちゃん?

7 :中華的熊猫@本人:2001/08/18(土) 13:16
そう言われると言いにくいんだけど。
でも、へただよ。へたくそ〜〜。

8 :パンサー自動車:2001/08/18(土) 13:51
マジだ。
へたくそ。センスねぇな。

9 :OHATU:2001/08/18(土) 22:05
パンダさん、レス感です。
あと、パンサ〜さん、おはつです。
>>6へのレスだったら感謝です。

ぱんさ〜さんの詩、読んでみたいです。
また、どっかで、レスしてくださいな-。でわでわ。

10 :名前はいらない:2001/08/18(土) 23:16
>>6
ワラタヨー!

11 :名前はいらない:2001/08/20(月) 19:20
ここいいとこだね

12 :名前はいらない:2001/08/20(月) 22:30
君は僕の宝物
だけれど
僕は君の困り者

13 :名前はいらない:2001/08/20(月) 22:47

Do




14 ::2001/08/21(火) 18:39
俺は戦うぞー

15 ::2001/08/21(火) 19:52
>>14
あなた、誰です?
キャップ取得を助けてくれて、ありがとです。

16 :名前はいらない:01/09/10 20:57
Treasure ........... is human being on the earth in the cosmos now.

17 :名前はいらない:01/09/10 21:40
age

18 :コリィ:01/09/10 21:48
>>1
僕もこういう詩ってあんまり理解できないんだけど、
こういう風にストレートに表現できるのってすごくうらやましいです。
自分にそういう才能ないから・・・

もっと遠回しないいかたの詩かいてください。期待してますんで。ハイ・・・

19 :名前はいらない:01/10/31 19:19
♥                              

20 :冬華:01/11/27 20:30
詩んでほしい
ずっと眠っていてほしい
駄スレって
何より不潔な
あんたの汚物だから

21 :ヒツジ:01/12/24 16:39 ID:???
 ― 今日の夜に ―


   ミサに行く

交わす言葉もなく過ぎし数ヶ月
何気に呟く言葉は確かに届いた

   あゝ そう

呟きに
 呟き返し
  胸の中身は空っ風

目も合わせず ひとり コートを手にする
微笑みあうことなく ふたり 扉を開ける
風に舞い散る枯葉二枚
 つかめば崩れそな危うさの中
   だけどいま 言葉は届いたのだ!

重く垂れ込める雲間から射す一条の陽光の如く
ふたりは同時にささやいた

   ミサに行こうっ!
 

22 :grain:02/01/01 03:19 ID:???
クリスマスの翌日でしたが
私も小さな小さなミサに出席しました
私はクリスチャンではありませんが
賛美歌を歌うのは好きです
目を閉じて祈る時間は
おばあさんが弾く
隙間のないオルガンのハーモニーを
注意深く聞いていました
イエスさまを信じていない私ですから
誰に何を祈ろうか考えているうちに
曲は半分を過ぎてしまいました

《そうだ、私の大切な人みんなが健康でありますように》

心の中で誰かに祈ってみました
目をあけるととてもすっきりした気分でした
目を閉じて真面目に祈る時間を持つというのは
いいものなのですね
小さな小さなミサでしたが
そこには澄んだ空気がありました

もし、私が死んで
どうしてもお葬式をしたいというのなら
あの質素な小さな教会でしてください
そして賛美歌で送ってください
賛美歌の曲数はいつもより増やしてくださいね
私は人が歌うのを聴くのが
大々好きなのですからね
だって大勢の人が集まって
私に向けて歌ってくれるなんて
きっと一生でこの日だけでしょう
みんなに歌で送られるなんて
とても素敵でとてもうれしいと思うのです
その歌声は私の最後の宝物になるのです
その宝物さえあれば
きっと私は天国にうまく辿り着けると思います

だからきっとそうしてくださいね

23 :ヒツジ:02/01/01 23:42 ID:???

大切な人のために祈る

そんなあなたは幸せだ
たとえ彼の地を確保できずとも
望まぬかたちで送られようとも
そんなあなたは幸せだ

何かの為に何かを為す
そこから遠くに離れ
あなたは ただ
祈る

手向けられた宝物とは何ぞ?
おそらくは歌声ならず
賛美歌でもなし

願わくば
願わくば私にも
あなたがもつものを!
 

24 :ヒツジ:02/01/01 23:43 ID:???

 ― 初詣にて ―

賽銭握って肩ぐるま
見様見真似の二拍手一礼

願いを問うた肩ぐるま
片言ことばの応えを聞いて
目がしらおさえた肩ぐるま

まわりは微笑み
わたしも微笑む

何かはわからぬけれど
在るのは判かった宝物
 

25 :grain:02/01/02 08:18 ID:???
あの人の上着と傘について

水をはじく上着を着ているから小さな傘でよかったんだとか
傘が小さかったから水をはじく上着だったんだとか
傘も上着もなんの意味もなかったんだとか
かんがえているうちに
とりとめのない自分に気付く

だけどあの日

あの人の肩にのっていた雨粒は
私の目の中にしまってある
宝物

26 :grain:02/01/02 08:26 ID:???

おみくじについてくる七福神は何だろう?
いつも布袋さんばっかりだから
今年は違う人だったらいいな
お財布のポケットに入れて
ラピスの勾玉と一緒に持ち歩いている
宝物の福人です

27 :ヒツジ:02/01/03 12:22 ID:???

ひとつ小さな傘の下
肩うつ雫も心地よく
雨降る灰空なぜか眩しく
いつもの雑踏ふたりきり

ひとつ小さな傘の下
髪の香りを微かに感じ
見上げるまなざし間近にのぞき
見慣れたまつげの長さに驚いた

 駅への道がもっと遠くに!
 冷たい雨よ 降りしきれ!


強く願ったあの日
宝物は
たったひとつの傘だった
 

28 :grain:02/01/04 08:20 ID:???

-小三角形-

夏空の大三角形
とか
冬空の大三角形
とか
いろいろな三角形があります
つるつる光る黒い目二つ
ぬれてて元気な印の黒い鼻
その三つの光る黒い星を
「膝の高さの小三角形」と呼んでいます

小三角形を連れて夜中コンビニに行く
小三角形は中に入れないから
いつも入り口で待つ役
あ、いろんな人に撫でてもらってる
夜中だから酔ってる人が多くて
話しかけられたりもしているよ
いつも私が出てくるのを
立ったり座ったりして待つから
自動ドアが開いたり閉まったりします
ゆうべもやはりそうでした

膝の高さの小三角形は
私の宝物で友達

29 :ヒツジ:02/01/06 11:36 ID:???

 ― 朝帰りした時に ―

冬の軒下 陽だまりの中
まるまって
寄り添うように
子猫三匹


吹かすべき煙草も切れた頃

  わるいな

一声かけた後
毛布に包まり
独り寝る
 

30 :ヒツジ:02/01/13 22:06 ID:???
 ― 成人式という日 ―


故郷に錦を飾る…か

何も為さず成し遂げず
ただ
ふるさとは遠くになりし

錦の胡散臭さに気づきもせず数年
明白なのは
旧い友らは遠くになりし

俺は、俺は今の俺に満足だ!

叫んだ後の心うち
やはりいまだに耳にする

 おとう、みとってな
 

31 :名前はいらない:02/01/14 04:30 ID:???
宝物を集めて
宝物の絵にした
それはまた別の宝物に変わり
見た人は素晴しいと言った
そんなのあたりまえです
原料は宝物なんですから

宝物の絵を作ってから私は
なんだかとても淋しくなった
宝物達は私のものではなく
どこか遠い所で輝きたそうだから
そんなのあたりまえです
もともと私の宝物ではないのですからね

今私は丁寧に磨く
宝物が遠く離れた所に行ってしまっても
輝きを失わないために

32 :ヒツジ:02/01/14 11:33 ID:???


届かぬ場所にあってそ
 見上げられるは
  星々か

幾多の星らをつなぎ
 伝説を紡ぐは
  誰ぞ

宝を手にしていつしか人は想う
選び 紡ぎ 磨き上げる
あなたがいることを

そんな時
自ら星になったことを
あなたは気づくのだろうか
 

33 :grain:02/01/15 06:26 ID:???
   
      - 地にある星達 -

   
       キラキラ光る
       地面の昴は
      開いたばかりの
       子犬たちの目
 
  蛍の幼虫
 水面に夜光虫

       眠っている間も光る

        あなたの鼓動

34 :ヒツジ:02/01/18 22:11 ID:???

 ― いつしか降り積もる ―


仰ぎ見みれば漆黒の夜空
……と、そこに雪
しんしんとして雪

降はじめた雪の記憶を最後に
目覚めれば外
銀世界
すべてを覆う銀世界
眩い光はすべてを…
そう、すべてを隠した!

   宝は?

きらめく景色を前に
  春を待つことにする
泥濘と濁流に溢るる
  春を待つことにする

雪原に立ちつくして今
待つという無責任を愕然として悟る
 

35 :grain:02/01/19 08:30 ID:???

宝物は自分で探し歩くものだと思っています
少し歩くと宝物はそこここに落ちていて
もうこの宝石箱には入りきれませんから
宝物をよく見て目の中に覚えておくことにしました
目に見えない宝物のかおりや風や空気は
肺の中にしまいます
そうしてわたくしは身体のいろいろな所に
見つけた宝物をしまっていますが
いま心にしまいたいものだけは
いくら歩いてもここにはありませんから
待つことにしています
欲しいものがやってくるのを待つのではないのです
欲しいものを手にできる「時」を待つのです
それは1度身体を亡くして
また生まれて
また亡くして生まれた頃にやっと
手にすることができるのかもしれません
わたくしは
「時」
が来るのを待っているのです






36 :grain:02/01/22 08:15 ID:???

昨日宝物をもらったから


   また別の宝箱に入れました




37 :ヒツジ:02/01/26 22:00 ID:???

 ― 空っ箱 ―

箱の中から一掴み
 あおくせえ
そんな一言で捨て去った

箱の中身をぶちまけて
 がきくせえ
解った気になり蹴散らした

今、この箱にはなんにもありゃしねえ
あんだけ捨て去り葬り去って
いまだ、この箱だけは抱えてる

とっとくべきだった
あなたのように
大切に……
とっとくべきだった!


捨て去りしものの意味に気づいた夜
 

38 :ヒツジ:02/01/26 22:04 ID:???

    そうして私は今

    頑丈になった
    ゴテゴテ飾り立てた
    持ち上げるのも大変な

    箱だけを


    何処に行こう


 

39 :ぐれいん:02/01/27 00:51 ID:???
-透明宝-

捨てたくないものは
捨てられないのです
捨てたと思い込んでいても
次に箱を開けたら戻って来ているでしょう
あんまり意識しすぎてはいけません
宝物の事なんか忘れた頃に箱を開けてごらん
  
なあんだ、前から持ってたんだ

って独り言を言うでしょう
今は透明宝になって見えないのだと思います
きっとそうだと思います
それでもどうしても不安なら
あなたが横を向いている隙に
私のとこから何か入れておきましょう
でも気に入らないと困るので
何がいいか、夢で教えにきてくださいね
もし私がもってないものなら
拾いに行ってきましょう
私に目的がある散歩の時を

40 :ヒツジ:02/01/27 22:11 ID:???

 ― 散歩の頃 ―

走りぬけてく人の中
羨みながぽつねんと
うろうろ歩く
俺がいた

見つけた気になり駆け出して
転がり込めば偽もんの
走りっぱなしの 
俺がいた

  行先を教えてくれ!

上目づかいの問いかけに
叫びにちかい問いかけに
あの人の応えは優しく静かでした

  一緒に散歩をしませう




ありがとう
 

41 :ヒツジ:02/02/02 00:39 ID:???

 ― じいさん ―

とある学校を出たという

南の島々を渡り
 人々と出会い
  そうしてあの日

復員後の日々はどうでした?

黙して語らずの教えを守り
先頃潰えたのだという

感嘆すべきはその忠誠か
驚嘆すべきは誠の字か
宝に見える二文字も
捧ぐべきものあってこそ

絶対なるものに憧れたた夕暮れ
溢れ出た詩は夜明けとなりしか
 

42 :ぐれいん:02/02/02 11:27 ID:???

口下手なおばあさんが
聞えないくらい小さくぽそっと言った
「子どもはみんな子どものまま死んだよ」

くっきり影ができる程明るい月夜を避けて
引き潮に助けられて浜伝いに逃げる
運がいい人は生き残り
身内を亡くした悲しみと共に
長生きをする

月夜が宝物ではなかった時がある



43 :名前はいらない:02/02/02 12:43 ID:???
>>42 グッときました

44 :ぐれいん:02/02/03 00:19 ID:???
>>43
ありがとうございます。
この機会に、もうひと足踏み込んで書かせていただきます。
私が忘れられない話なのです。

----------------------------------

宝であるわが子を抱きながら走って
転んだ拍子に頭を打たせては大変と
子をおぶって逃げる母達の話

「あついよ、あついよ、」という
片言の子の言葉を耳元で聞きながら
空襲の業火の中をやっと逃げて
背から下ろした子の背中が
ねんねこごと焼けてしまっていて
母の背中を守りながら
子が息耐えた事を知った時、
または、
雨のようにばらばらと降る爆弾の中を
子を背負って気も狂わんばかりに走り抜け逃げ切り
背から下ろした子の頭がなかった事を知った時の
母の心を思うと
長生きは何よりも残酷な事です



45 :ぐれいん:02/02/03 00:22 ID:???
多くの宝を抱く海は
多くの人を呑み込みながら
今日も宝を抱き
足元に寄せる波の形は
一つとして同じものはない
一日二度づつ満ちて引いて

明日もきっとまたそこにあるがままに

46 :ぐれいん:02/02/03 00:28 ID:???
>>44
業火は変ですから火に変えます。

47 :ヒツジ:02/02/03 09:15 ID:???

 ― 置き忘れたもの ―


残酷さの前に嗚咽する
悲痛な思いを抱え
怒りは何処へ

残されし者の言葉は溢れ
逝かされた者への思いは満ち
だかしかし
逝きし者らはいったい何処へ


  繰り返さぬこと


唯一点に捧げられた宝以外に
未だ埋もれ 朽果てそうな
宝の在処よ
ほこりに塗れた
宝の在処よ

探し求める者もやはり
残されし者なり
 

48 :ぐれいん:02/02/04 01:25 ID:???

風にさらされ
地に埋もれ
根に抱かれて眠る宝
下流の河原
ジャングルの中
海に向いた洞窟
浜の石の下
湿地の泥の奥
未だ海底にある船に
手がかりの地図無きまま
ただ彷徨い
人の記憶を伝い歩き
疲れた手の中

一掴みの

宝の土



49 :ぐれいん:02/02/10 09:52 ID:???

待ってるんだ
遠くからやってくる宝物をね
明日来るかな
明後日かな
待ってる間も
宝のような時間


50 :ヒツジ:02/02/11 00:11 ID:???
 
― 待つ人々 ―

冬の曇った昼下がり
白い小さな噴水背にして
ちらちら時計を見ながら
イライラ煙草をもみ消した

  未だ待ち人来ず

落ち合い行き交う人の中
じっとたたずむ私とあの人
水の出ぬ冬の噴水見つめる表情に
煙草を吸い散らかした己を恥じる

  待って知る
    枯れた噴水
      そのすがた

なぞと
言い訳がましく独りごつ
 

51 :ヒツジ:02/02/11 00:13 ID:???
 
― 土くれを握りしめて ―

しかと受け取った
伝え歩いたその記憶
涙ぐまい
悟るまい
熱望するは
春の盛りの野垂れ死に

ちんけなヒロイズムを脱ぎ去り
私は歴史の直中にいる
私は私を超えていま
歴史とつながる

刹那に見えたあの鍵は
間違いなくあの箱の
姿の見えぬあの箱の……


…宝探しの私に戻り
いつものように
鍵さえ失う
 

52 :ごれいん:02/02/13 06:29 ID:???

    -宝自慢-

きのうたからものがとどいたから
それをガラスのいれものにいれて
六歳の頃から大切にしている
お雛さんのとなりにおきました
だけどもしもぬすまれてはたいへんと
アビヌスと舵取車の貝殻と
レゴの保安官に
まもってもらっています
それらは全部ターンテーブルのうえに
おかれていますから
れこうどが聴けません
だから
歌をきかせてあげました
じまんの宝のお話です




53 :ヒツジ:02/02/17 19:43 ID:???

 ― 寒い国から届いたエアメール ―

貧しい村の小さな家に
家族が集い微笑む写真
裏に書かれたキリール文字は一言でした


 あなたと
  あなたの家族の健康を願います


言葉に胸をつかまれながら
 独りポツリと呟きました

  僕は、 健康です


手にして涙こらえる
そんな宝物のお話
 

54 :ぐれいん:02/02/17 23:07 ID:???
あなたは私の知っている人ですか
それともここで初めて会ったのでしょうか
こんなふうに宝物のお話を聞いたり
私の宝物の話をしたりしていますが
私にはこれも素敵な宝物の時なのです
だからありがとう


55 :ヒツジ:02/02/21 19:59 ID:???

 ― 秘密基地 ―

材木置場の片隅の
おが屑まみれの地べたの床に
パイプで支えたトタン屋根

野球カードやへびの皮
裸の写真に工具箱
宝の山に囲まれて
膝を抱えて独りきり

仲間が一人加わって
一緒に集めた宝物
子犬も子猫も集まって
宝集めに駆け出した!

ぼんやりすごした放課後が
待ち遠しいものになったのです
独りぼっちの夕暮れが
暖かな色になったのです

だから仲間に伝えたい

 こちらこそありがとう
 

56 :ヒツジ:02/02/24 01:38 ID:???

 ― 無口なちくのう少年の想い出 ―


奴の父ちゃん見知らぬ町で務所暮らし
パチプロ母ちゃん子供8人働かせ
奴もせっせとせっせと新聞配達

覚えの悪いあいつに教師もイラつき
女子には臭いと囃され遠ざけられて
物まねしながらからかう男子は蹴りいれる

夏の休みの早朝に
 山のよな新聞積み上げて
  腰を浮かして自転車こいでる奴を見た

思わず声をかける
あいつはニッと微笑み
なぜだか俺も
ニッと微笑む


奴はいまどうしているんだろう
宝物を見つけていて欲しい
そうして
ニッと微笑んでいて欲しい
 

57 :ぐれいん:02/02/24 13:55 ID:???
-みつる(仮名)のこと-

ある日向かいに越してきた6人家族の中の
長男のみつるはまだ2年生だった
ああ、みつるの話をここに書いたら小説みたいになってしまう
とにかくみつるはその家族の中で
一番いい子で、長男で、一人だけ父親が違っていたから
彼だけ名字も違っていた
本当にもっと違う家に居るべき子だと思った
もし、そうだったらきっとスポーツの好きな普通の子になったと思う
母親は毎年子供を産み続け、最後には9人家族になった
道端で新生児の妹を横抱きしてであやしているみつるや
私に作文を読んできかせてくれた時のことや
「オレ、えびせんいいよ、あげるよ。」
といって袋ごと弟にあげているところや
おなかが減ったから塩むすびを作ってみんなで食べていたりとか、
父親がケンカで病院に運ばれて誰もいなくなった夜中
のぞきに言ったら、涙をためた目でほ乳瓶に砂糖水を作って
泣きやまないあかちゃんに飲ませていたことや、
もう、もう、いくら書いても終わらないくらいいろんな事があった
母親はある日突然どこかに行ってしまい
父親がケンカで刑務所にはいったとたんに
福祉事務所の人が来て
子供は全員遠くの施設に連れていかれた
その方が低学年の子供達には幸せだったと思う
みつるは中学生になっていたから
自分の意志でここに残る事に決めた
あの最悪な親戚の家で暮らしはじめたらしいけれど
もう17才になっているはずだ
最後に見たのは2年前
大きなピアスの穴を開けていたから
「痛くないのぉ?」と聞いたら
険しい顔が急にいつものみつるになって
「うん」と下を向いて優しく笑った
みつるは長生きしてほしいと思う
幸せになって欲しいと思う前に
みつるの命が長くありますようにと思う
戦争が起きている訳でもないこの国の
暗い最前線に送られることのないように
「ああ、どうか」
と思う

みつるが住んでいた家は
もう取り壊されて空き地になっている




58 :ヒツジ:02/02/24 23:06 ID:???

 ― 卒業文集 ―

  ぼくはいっぱい転校しました。
  みんながぼくのまねをしました。
  うれしかったです。
  ずうずうはなをすするのはかっこ悪いです。
  これからはきおつけよう。
  けられるのはいたいけど
  たくさん友だちいっぱいできました。
  よかったです。
  中学にいってもみんなたくさんしゃべてくれるとよいです。
  友だちがたくさんできるとよいです。
  さようなら
  

読んだはずなのです
当時の私は読んだはずなのです

怒りと悔恨込めて問い質す

 おい俺よ、
 いったい何を感じていたのだ?


         ― 宝の在処に気づいて悔やんだ夜に ―
 

59 :とのうさ ◆THEREJEU :02/02/26 00:48 ID:???
宝物の在処を示した昔の地図から
とうとう何もみつからんかったけど
ワクワクしていたこんな心が
どうやらみんなの宝物、プスゥ〜...

失礼、さよなら。

60 :ヒツジ:02/03/03 18:04 ID:???

 ― そこにある花 ―

梅の花咲く垣根に背もたれ
来たる春待つそぶりして
見上げた花は慎ましく
まとう香りは儚くて
望む宝はなにかを
ぼんやりと知る
 

61 :ぐれいん:02/03/08 00:52 ID:???
-桜雷宝剣-

花咲き乱るる屏風絵の遥か彼方より来たりて一瞬に駆け抜けし
馬の背で弓を射る
射るは稲妻
春雷と共に
全てを濡らさん
稲妻を素手で掴み
両手を焼き足の残る
動きだす屏風絵の
春の夜半なり
地に刺さり残るは
光り止まぬ剣なり



62 :ヒツジ:02/03/16 13:09 ID:???

 ― 羨んだ風景 ―

お堀の芝生の木の下で
  箱を潰して眠る人

ころがる酒瓶
  寄り添う野良猫

春の午前の雨上がり
垂れた枝先、鼻の先
見れば蕾はふくらんで
通りすがりの人々が
誰もが微笑みつぶやいた

 もうじき咲くね


最初に春を見つける人は
寄り添い眠る野良猫と
箱をつぶして眠る人
 

63 :ヒツジ:02/03/21 18:39 ID:???

 ― 彼岸花 ―

桜の花咲く霊園の
うち捨てられし一角の
苔むす墓石はひとつ

背後に屹立するは一本の
たわわに覆うはいにしえの
厳しい幹の大桜

 ひらり

   ひらり

     ひらり

名も無き人の両肩に
手向けられしはひとひらの
吹けば飛ぶよなひとひらの


  我 静かに合掌す
 

64 :ヒツジ:02/03/23 11:06 ID:???

 ― 春の予感 ―

ふわりとさがる前髪に
浮かぶ花びらつまみ上げ
微笑みあって見つめあう

  きれいだなぁ


思わず漏らした一言に
同期の桜はさくら色
みとめてこちらもさくら色

慌てて背を向け
酔ったふりして
あおるは春の
花見酒
 

65 :ヒツジ:02/03/23 14:17 ID:???

 ― 迷彩服のお兄さん ―

桜咲く名も無き小さな山中の
意味無く遊ぶは兄弟ふたり

突然茂みから現われしは兵隊さん
草木をまとう緑の顔した兵隊さん

 コラぼうず、
 ここは危ねえからあっちへいきな。

怯えて泣きそな弟に
 桜の枝を切り取って
  持たせて消えた兵隊さん

セピア色した思い出の中
淡く一点輝くは
転がるように逃げ出しながらも
しっかり握った一枝の桜



桜の枝折る心優しき人がいた
 

66 :名前はいらない:02/03/28 13:42 ID:???
宝物が見つからなくて
宝物が見えなくなって
宝物は何処だろう
偽物なんかいらない
偽物なのだろうか
心臓は純粋に宝物
心臓には罪はない
だけど心はどうして
なかなか宝物になれないのだろう
心は罪ばかりを纏い
ふらふらと彷徨う
何処に行きたいのですか?
あなたの目的はなんですか?
私は何の為に詩を書きますか?
詩は誰かの為になりますか?
誰かの為にならなければいけませんか?
私が思う事は間違いですか?
どうしてこんなに頑なになってしまったんだろう
私は何をすべきですか?
外に行って
大きな水に聞いてきます


67 :ヒツジ:02/03/30 15:02 ID:???

 ― 切符はすでにあるではないか ―

見られること考えながら
のぞく鏡に映るは
どんな顔?

水の在処に辿りつき
かがんで水面をのぞけば
どんな顔?

おんなじ顔に
 いろいろつくのは形容詞

わき目もふらずに顔探し
くっつく言葉はひとまず置いて
ひたすら探すは顔探し

さあ、一緒に旅に出よう
辛くもあり楽しくもある
宝探しの旅に出よう!
 

68 :ヒツジ:02/03/31 00:17 ID:???

 ― 田舎者 ―

はじめて田舎に電話した
至急謄本送れと電話した



箱が届く

缶詰、ラーメン、腹巻、セーター……
埋もれるように必要な紙は一枚


泣きながら笑った
あれは上京2年目の春だった
 

69 :きみどり:02/03/31 04:16 ID:???
まだまだ田舎が残っていたあの頃
畦道や田んぼの水路には
小さな宝物達がいつもいました
学校の帰りには
エビガニ、ザリガニ、どじょうの様子
それからおたまの成育状況をチェックして
土曜日にはざるとバケツを持って
生き物を獲りに行った
ヘビイチゴはちょっと避けたい気分で見て
菜の花は蝶々を呼ぶ優しい花に決定
きつねのぼたんは少し意地悪に見えたけど
今では何て可愛い花だろうと思う
レンゲの蜜のうっすら甘い味
姉はしろつめくさでかんむりを作ってくれた
四つ葉のクローバーはなかなか見つからないけど
見つけた時は押し花にした
ひめじょおんの か細い花びら
カエル釣りに使うあの草は何ていう名前だっけ
春の畦道には宝物がいっぱいあった
田んぼの水路の水の音は
今でも記憶にきらきら光る
メダカの背中は少し金色



70 :ヒツジ:02/03/31 12:40 ID:???

 ― 一遍の詩を読んだ日曜日に ―

そうだった
セミの抜け殻さえもが宝物
すべてがキラキラ光ってたっけ
半ズボンの頃には溢れてた
あれらの宝は今いずこ

ふと思う
コンクリートにアスファルト
満員電車で器用に新聞めくり
ネクタイしめた平日に
宝はやはりあるのだろう

探してみます
隠れるように光るもの
見飽きたけれども光るもの

そうして願う
いつしかキラキラ光れるように
 

71 :ヒツジ:02/05/03 00:26 ID:???

 ― 「ならば、泣け」 ―


空き缶蹴り上げ
夕焼け雲にも乗っからねえ

握手の右手にナイフの左手
いかした野郎に憧れながら
ポッケの中で拳を握る

かっちょワリィ
  かっちょワリィ

あいつの言葉を思い出し
ただただ泣いた
鼻水たらして
ええ年こいて
声あげ泣いた

流れた涙が
 宝であるわけないだろう

宝になることなんざ
 ありゃしねぇ!
 

72 : :02/05/08 22:45 ID:???


73 :ヒツジ:02/06/02 03:04 ID:???

 ― …タ・ス・ケ・テ… ―

街をふらつき
 なんにもねぇ
連れとつるんで
 つまんねぇ
女とあっても
 笑いもしねぇ

車を飛ばして深夜の高速
 カーブもぜぇんぶ
  かったりぃ

真っ直ぐ行きてぇ
真っ直ぐいきてぇ

ハンドル切るのもかったりぃ

なんにもねえよ
なんにもねえよ

このまま真っ直ぐ
このまま真っ直ぐ……

だけどそこにも
なんにもねぇ
たぶんそこには
なんにも
なんにも
ありゃしねぇ
 

74 :ヒツジ:02/06/22 12:09 ID:???

 ― 飯場のとっつあん ―

ひっくり返して 穴開けて
油まみれの軍手で取り出す
セブンスター

酒か日焼けか赤黒い
歯だけが白い寡黙な男の真ん中で

うろうろしながら
ペコペコしながら
ラストの土嚢をつみあげりゃ
仰いだ夕空 真っ赤か

三鷹の建設中のビルの上
出されたうどんをすすりつつ
気づけば夕陽は目の高さ

夕陽を見たよ
都会の西のビルの上
でっかいでっかい夕陽を見たよ

  大学に行こう

そう決意した当時二十歳の俺は

出勤前に靴先を磨いた否かを確認している
 

75 :きみどり:02/06/30 05:20 ID:???

宝箱の中味を
殆ど人にあげてしまったので
しばらく空っぽでした
それに
宝探しの目利きだったのに
目がよく働かなくなってしまっていました
でも
また明日から
宝を探しにいきます

何かいいもの見つけたら
おしえてあげるよ



76 :ヒツジ:02/07/06 10:07 ID:???


― YA,YA,YA! ―


 なんだろう
 このうれしさは


疑問に応えぬまま
旅支度をしている私

便り一枚に微笑む
梅雨の合間の晴れた日に
  

77 :ヒツジ:02/07/06 20:31 ID:???

 ― ロマンチック ―

アンダルシアの白と青
分け隔てられて
小さな教会

祭壇彩る無数の炎
魅入る ふたり


 ろうそくが融けていく……



古の香りをまとう静かな色彩の炎に心奪われていた僕は
輝きの下で消え行く蝋に思いをはせたあの人に対し少し

嫉妬した
 

78 :ヒツジ:02/07/13 10:12 ID:???

 ― 僕の宝はイミテーション ―

きつそうだった
大変そうだった
 この暑い中かわいそうに
 介護者はいないのか?
なんとかしてやりたい
助けてやりたい


 荷物、持ちますよ

微笑みながら差し出す右手は払いのけられ
微笑みながら返された言葉は「結構です」

結構です 結構です 結構です……結構です?

そうして僕はムカついた
むかついた むかついた むかついた……

僕は むかついたのです
 

79 :きみどり:02/07/23 04:13 ID:???
たとえばさ、

優しさに慣れることを忘れてしまった人。
全部一人でやってきて、
ぎりぎりのところで生きている人。
反射的に「結構です。」と言ってしまう人。
もし、
人の小さな優しさに甘えてしまったら
もう、
歩けなくなるかもしれないような人。

でも、
悲しい事に人は案外強いので歩けてしまう。
歩けるんだから、まだ大丈夫さ。

たとえばね、

老人の錬られた悪意の言葉。
意地悪と八つ当たり。
何かやなことあったのかな。
そんなの誰もわかんない。
もういいよ。しらない。

またべつのある日、

自分では見えないまるいものが
誰かを助けようとするんだろうね

ほら、
君の睫毛にのっかっているのは
小さいけれど
本物だよ



80 :ヒツジ:02/08/10 05:09 ID:mI175q/h

 ― 頂に立って思ふ ―

睫毛の先には満天の星々
見上げず前向けば下弦の月
腕を組み 気づけばひとり
ぽつねんとして
ひとり

横一閃切り裂くは御来光
蒼白き雲海を見下ろし
目に映りしは……花?
眩い天界を前にして今
一輪の花?

息を切らし、足を引きずりながらの中途
登山道脇にひっそりと咲く
名も無き小さな花を宝に思う
そうして少し
自分を誉めてみたりした
 

81 :ヒツジ:02/08/11 13:53 ID:FXplrGI3

 ― フラメンコ ―

洞窟
か細く明滅 原色ネオン

岩壁
ステージ 取り囲むテーブル

蝋燭の炎
炙り出す タイと首飾り

 そうして
  音 音 音 ……

俺は今何処にいる

  …………

身を委ねた俺がいた


あれは
そう、あれは

死の旋律
 

82 :ヒツジ:02/08/11 16:34 ID:PxJrTpVl

 ― 寝返っても独り ―

ぐうたらしたい、そう思った
働いて
  働いて
    働いて
休みの日には、ぐうたらしたい
そう思っていた

…なのに
ガイドブックを開き
パンフレットをかき集め
時刻表だのカメラだのとあのひとは
ぐうたらしたい僕のまわりであのひとは


いま、色彩豊かな異国の草原で寝そべる
流れる雲は早く
 青い空はあくまで高く
  草の香り漂う風は心地よく
いま、ようやく僕はぐうたらしている

…なのに

 チッ、なんで喧嘩しちまったんだろ
 

83 :ヒツジ:02/08/11 20:46 ID:c5ei8mY2

 ― 格 言 ―

 空の青さを知るために
  世界を旅する必要はない
             ゲーテ


青さの相違に気がゆく私は
 未だ宝探しの途上にありしか
あるいは
 宝の在処より離れしか

あゝ宝よ!
望むは知ることにあらず
   感じることにあり
さすれば言葉は溢れ、迸り
 詩に 詩へと 詩と成り

あゝ宝よ
どうやら私の望みは紡ぐこと
普遍で不変な結晶の如く
生あるうちに一遍の詩を!
 

84 :ヒツジ:02/08/14 00:09 ID:ObAhssZg

 ― 俺は俺 ―

茶髪に眉をひそめる奴がいりゃ
 髪の毛染めて
  猿顔 猿顔
   分ってら

雑誌にダサいとサラリーマン
 脛を囓ってフリーター
  したり顔した自分探しも
   ナイスなポーズ

気づいた時にゃ
 街に溢れる
  俺は俺はの
   良く似たこぞう

も一つ気づいた今更ながら
 俺は俺はの望むもの
なりたくねえよ
 なりたくねえよ
  みんなと一緒に
   なりたくねえ

  ハァ、つまんねえ

蹴り上げてみりゃ、
てめえのケツだったとして
でも、そりゃあ
ずいぶんおもしれえかもなぁ
 

85 :ヒツジ:02/08/15 01:13 ID:rMoSrVjx

 ― 郷 愁 ―

お盆休みのオフィス街
喫茶の画面に高校野球
客らはアイスティーで数時間

私は本を閉じ
 携帯を手にした
 

86 :ヒツジ:02/08/15 01:45 ID:rMoSrVjx

 ― 運送屋 ―

4トン半の助手席で
地図を見ながら箪笥を担いで
オーライ,オーライ

粋にタオルを首に巻き
紺のベトナムズボンもいたにつき
慣れた手つきで
オーライ,オーライ

急ぐ途中の交通渋滞
見れば看板掲げた学生さん
のぼりを立てた市民さん

ベテラン運ちゃんタバコを取り出し
舌を打つ

 こちとら人手が足りねえってのに

これは矛盾か政治家さん
これは矛盾かマスコミさん
これはやはり矛盾だろう

だけどンなこたぁどうでもよくて
オイラはひとりで
オーライ,オーライ
 

87 :アブサロム ◆FOOL.jjE :02/08/15 04:19 ID:8UwHzSsn

支持・・・「郷愁」好きです。頑張ってね。


88 :ヒツジ:02/08/15 14:44 ID:9D+j2CSo
 
そこに意味は無い
あるのは
クーデター失敗

美丈夫の
  長き髪には
    ご用心
 

89 :ヒツジ:02/08/15 14:47 ID:9D+j2CSo

 ― 太平洋、爆弾抱えてひとっ飛び ―

行く先ぼんやり何にも見えねぇ
遺したいのに
伝えるもんなぞありゃしねぇ

おんなじように微笑んで
杯かかげて肩組んだ

吐き気がしたよ
ヤニにまみれた汚ねぇ歯によ
なみなみ注いだジョッキによ
理屈がつまった頭を支える
 痩せっぽちで色白の
  華奢な首した奴らによ

でもって気づいたのは
 あの人たちを詩にしたいと願う自分…

 あぁ、吐き気が止まんねぇ
 

90 :ヒツジ:02/09/08 00:46 ID:v5DkMTh5

 ― バレリーナ ―

弧をえがき
 高く掲げた両手の先
しなやかなる指が
 妖しく世界をぬりかえる

ピアノの旋律
雨の如く シャワーの如く
 
ライト煌めくステージ上
水面であそぶ木の葉の如く

流れる音楽 水となり
 翻弄された月下の海に
  僕はマーメイドを見たのです
 

91 :名前はいらない:02/09/08 15:14 ID:bHzzyqk3

 ― 石畳ある路地裏にて ―

転がって見る
林立するビルの谷間のゴミの横

空はある
確かにある

ただ少しばかりそれは小さいようだ
それは遠くに
果てしなく遠くに


残酷な世界に絶句した俺は
 仲間のアル中どもにわめく
  
でもわかっているのさ
 なすべきことは
  とりあえず地下鉄に乗るってことを
 

92 :ヒツジ:02/09/08 15:41 ID:bHzzyqk3

 ― 小さな決意 ―

流れる涙を嫌悪して
 ぬぐう姿を評価した

昨日を持たざる毎日は
 ひたすら明日への出発点

「ガキ臭い」
 そうさ、そうさ、そうなのさ

語る言葉はでっかくて
 つま先だちのあの頃へ
 

93 :アブサロム ◆FOOL.jjE :02/09/09 14:47 ID:p7uqET+7



「砂嘴へ続くレール」



地下鉄のレールを歩くぼくは
夢の中です
あらゆる電車がぼくを通り過ぎ
轟音とともに彼方に消えてゆきます
誰かが偽った恋は成らず
車掌が気の毒そうに眺めるだけでした

人工の逃げ道には
背の高い林檎と街灯があって
ぼくはその芳香と
切り取られた空間に寄ります

一本目の電車
誰か乗せてグレーの溝に落ちました

二本目の電車
誰も乗せずモスグリーンの坑道を開きました

三本目の電車
昨日の汽車を包んで臙脂色の光に消えました

瞬く白い花と
遠く
砂嘴に臥すくちびるへ


94 :アブサロム ◆FOOL.jjE :02/09/09 14:49 ID:p7uqET+7

>>91>>92>>90へ。
また何か思いついたら来ます。

・・・あまりに情けない詩しか書けないので、
邪魔だと感じたらそう言ってやってください。


95 :きみどり:02/09/15 02:20 ID:bjQcQn9t
もうすぐ宝がもらえるというのに
こんな時に限って大忙しの毎日で
ゆっくり宝を日に透かしてみたり
ルーペで覗いたりできそうもない
宝がもらえるんだったら
毎秒カウントダウンするくらい
暇で暇で楽しみで待っていたいのに
どうやら宝は、
あっちから転がってくる
サッカーボールの六角形の一つのように
目にも止まらない早さで
行き過ぎていくのだろうな
つかまえられるかな
六角形



96 :ヒツジ:02/09/15 13:33 ID:CddK1q3b
>>93-94 

 ― 広場の片隅から ―

部屋の独りに耐えかねて
 だけども読書は独りでするもので
広場の真ん中あたりは騒々しくて
 だけども飽いて退屈することなし

だから
広場の片隅 木陰の下のひとつのベンチで本を読む
 

そんな人



彼にライターを貸してくれよと話しかけたとして
たぶん
 チッ、ずいぶんと粋な煙草を吸いやがる
なぞと嫉妬はしても きっと

彼はすごく うれしいのでした
 

97 :ヒツジ:02/09/15 13:34 ID:CddK1q3b
>>95

 ― 流れ星 ―


 高   高    高
   輝   輝   輝
憧   憧    憧
  煌   煌    煌





          星



落ち行く星を流れる星と名づけたる詩人よ
汝より 美は生まれし
 

98 :ヒツジ:02/09/15 13:36 ID:CddK1q3b

 ― 退職祝い ―


 いんたねっとを知っとるか?


パチンコのみが趣味のあなたを
 軽蔑したこともありました

そんな僕です

半信半疑でからかう電話口
言い忘れていました

 今までご苦労様

で、送付したPC、具合はどうですか?


   お父さん

 

99 :ヒツジ:02/09/15 20:41 ID:5Px4Ji3x

 ― 寂しき人 ―

いかなる人をも悪くは言わず
 どんな人にも学ぶところがあると言い
いかなる輪にも打ち解けて
 飲んで、語って、聞き入って


世間に疲れた人がうらやみました
 君には敵がいない。

彼は口をゆがめて呟きます
 そうさ。
 なぜって僕には
  味方もいないのだからね。
 

100 :アブサロム ◆FOOL.jjE :02/09/16 17:49 ID:P9SY12BY

こそーり、100GET。
どうもありがとう、また来ます。


101 :ヒツジ:02/10/17 21:22 ID:+BVpBbPy

  無 題


 母は あった



  24年…



  24年!




 海をなくした山河あり




102 :ヒツジ:02/10/23 23:16 ID:FtjDTG6a

 ― 産廃処理場にて ―


足もとの
  影が伸びきり
     振り向けば

写真でよく見る夕焼けだ

オレンジ色の
 ゆらゆら揺れる
  夕陽をかざる
   ちぎれぐも

ちゃいろの草を踏みつけて
小さな小さな花々を
ピンクの色した花びらを

見つけて 見つめて 息をのむ

 

103 :名前はいらない:02/11/08 23:40 ID:Q8FOoRd0
保全

104 :きみどり:02/11/11 04:38 ID:z4aGme8J
宝物だよ
山の中にある
特別な光を招き入れる
空間を持つ
あの家


105 :岡田克彦 ◆ikGay75MZI :02/12/03 09:15 ID:ZY/QyJmq




ま、悪いことは言いません。あんたら2チャンネラーに代表される
下界の凡人連中には、ベートーヴェンの晩年の弦楽四重奏がちょうどよいです
から、そのあたりをお聴きなさい。
間違えても、ぼくやドビュッシーの作品は聴かないように。
豚・に・真珠・でございましょう、ファッハッハッハッ・・・・・
で、ぼくのホームページK.OKADAワールド
(URL;http://debu1957.hp.infoseek.co.jp/)には
あんたら2チャネラーには似合わない私の傑作の音楽がついていますので、
ぜーーーーーったいに来ないで下さいね。


106 :霧都 ◆WISH/t.n/I :02/12/04 01:30 ID:mpG/5agW
誰かに恋をするたび
誰かが宝物になる

本当は
誰かに恋することができる
この心が大切なモノかもしれない

大人になって気付いた
そんな、小さな事実に

107 :ヒツジ:02/12/07 13:36 ID:R0QnVjhT
 
 ― ルルドー ―

車椅子のお兄さん
 言葉なき案内人は初めてでした

解り合う鍵となりし沈黙よ


皮膚のただれたおばあちゃん
 澄んだお水はおいしゅうございました

笑みなく伝わる優しさよ


ピレネーの麓
ぼくは奇蹟を見た

湧き出でる泉ではなく
洞窟に集いし人々に

 

108 :ヒツジ:02/12/07 13:38 ID:R0QnVjhT
 
 ― 小さな恋の思い出 ―
 
クラスみんなを笑わせて
チラリと確認
 あの子の微笑み
それからようやく得意気だ

堤防脇のグランドで
野球に夢中のフリして待った
 塾の帰りのあの子の自転車
それからようやく白球追った


あれは夏の終わりの夕暮れだった
堤防上には自転車ふたつ……

近頃きれいになったの知っていた




秋の大会 僕はレギュラーになった
だけど

あまり うれしくなかった
 
 

109 :ヒツジ:02/12/07 13:40 ID:R0QnVjhT

 ― 望むもの ―



 つつみこまれて

 いま

 眠る
 

110 :名前はいらない:02/12/09 02:26 ID:w5WS3h+J
子守歌
 歌ってあげる

おやすみなさい
 って頬を撫でてあげる

またね
 って額にkissしてあげる

夢のまにまに
 楽しい気持ち溢れるようにと
祈りを捧げてあげる
 あの空の星に

111 :岡田克彦 ◆ikGay75MZI :02/12/10 15:10 ID:lqnSL0eq

お・だ・ま・り、あたしを誰だと思ってるの? おそれ多くも、あ・た・し・よ。
お・だ・ま・り、あたしを誰だと思ってるの? おそれ多くも、あ・た・し・よ。
お・だ・ま・り、あたしを誰だと思ってるの? おそれ多くも、あ・た・し・よ。
お・だ・ま・り、あたしを誰だと思ってるの? おそれ多くも、あ・た・し・よ。
お・だ・ま・り、あたしを誰だと思ってるの? おそれ多くも、あ・た・し・よ。


112 :ヒツジ:02/12/15 00:36 ID:0Onkx+Ie

 ― ハードボイルド憧れて ―

異国のバーの地下室で
女のためにを口実に
ハードボイルド憧れて

  ドアを開けた
  背後で閉じる音がした

  カーテンは重かった
  ビロード色をしていた

  嬌声と音楽から遮断された
  たちこめる紫煙は濃くなった

  奴らの座るテーブルの前
  震える自分の膝に驚いた

縮み上がっちまった俺
大枚支払っちまった俺
俺は、俺を許そう

  灰色の瞳がもらした一言に
  とりまく碧眼どもが嗤い出す

俺はどうしたんだっけ?
俺は、俺は・・・そう、俺は
 膝を震わせながら スパシーバ
笑みを浮かべていたんだっけ
 
俺は、俺を許せるか?

113 :ヒツジ:02/12/15 01:00 ID:dpaKvkCK

 ― 子守唄 ―

朝露しのぐコートは薄いけれども
そうして
満天星空 凍てつくけれども

名もなきひとが通り過ぎし傍ら耳にする
名もなき歌の心地よさ

言葉と星ぼしに いま
つつみこまれて
眠るのです
 

ありがとう

 

114 :ヒツジ:03/01/03 02:36 ID:GyBIcSJb

 ― 新年迎えて徒然に ―

あなたはこだわっていましたね。
家族全員そろって紅白見ることを
家族全員そろって除夜の鐘聞くことを
そうしてあなたは、神妙な顔をしながら言いましたね。
  あけまして、おめでとう

私が高校生になった頃からでしたっけ、
年末年始、私は家族ではない人達と過ごすようになりました。
そんな私にあなたは不満気でしたね。

紅白だの、除夜の鐘だの、新年の挨拶だの、
そんなことが大変つまらなかった。
そんなことが大変退屈だった。


いま、なんとなくわかります。
あなたが望んでいたことが。

いま、ふと思い出します。
神棚に手を合わせて頭を上げたあなたに私は聞きました。
  おとう、なにを願ったんや?
なにやらもごもごとあなたは答えてくれましたっけ。
  そらぁ、家族全員が無事でありますように、ってや。

そんなことを、いま、ふと思い出しました。
 

115 :名前はいらない:03/01/03 03:08 ID:enF9TV11
そんな思い出があることを
ふと羨ましく思いました

それぞれにしかない思い出が
積み重なって 積み重なって
新しい年が来るのだとしたら

その思い出は
出来るだけ懐かしさと優しさに
満ちているものであって欲しい

見知らぬ人にも
見知っている人にも
同じだけ
そう思うのです

あなたの暖かい思い出を
羨む気持ちもまた
私の 愛しい思い出に 変わります

116 :戻ってきた!:03/01/15 09:49 ID:sRIqh2qZ
宝物だ!
やっと私のところに
帰ってきたんだ!
だからもう探しに行かなくても
心配ないんだ!
私の心が
やっと心臓のところに
戻ってきたんだから!
ああ、これでやっと
宝物を見つけるのが
得意な目が戻ってきた!


117 :山崎渉:03/01/19 14:06 ID:0KpP5AQU
(^^)

118 :ヒツジ:03/01/26 21:38 ID:XPsqjKG8

― 最期の宝 ―

積もり積もった想い出の
  今際の際にみる夢は

独りぼっちの青春の
  大志を抱えた孤独者


積もり積もった想い出の
  今際の際にみる夢は

ゴールドメダルのランナーの
  幾度と過ぎし真冬の早朝


  本当か? 真実に?


大歓声に包まれて
 テープを切った瞬間がいい
たった一度のガッツポーズ
 そんな姿の俺がいい
 

119 :ヒツジ:03/01/26 21:39 ID:XPsqjKG8
 
― 宝の在処 ―

その脳学者は宝の鍵を手に入れた
なんと 時間を定義し
なんと 記憶を定義し
そうして世界を理解した!

自信に満ちて彼は呟く

  心だぁ? へっ!


そんな彼が途方にくれる
世界を手にした彼がいま
途方にくれる


彼は
ある娘に恋をしたのだ
 

120 :きみどり:03/02/04 04:27 ID:Dt6X9S+T
北に3キロ行ったとこで
キラキラの宝を見つけたんだ
喜んで持って帰ったよ
それはすごくきれいでね
わたしが知らないお話をいっぱい喋った
わたしはその宝が好きで
その宝もわたしが少しは好きだったと思う
でもその宝はだんだん元気がなくなっていったよ
わたしの部屋の空気が原因だよきっと
なんかがきっと合わなくて
宝は息苦しがってたんだよきっと
だからもとあったところに置いてきた
それでわかった
その宝は向こう側の最南端にあったんだ
わたしはこっち側の最北端で宝を見つけて
50cm手をのばしてそれを拾った
空気の境目をまたいだ宝は
だんだん息が苦しくなっちゃったみたい
わたしはそれでも何とか一緒にいたくて
いろんなお薬を宝に飲ませたり
北の匂いがする草を植えてみたけど
ある日
どちらも死んでしまいそうになってね
だから
宝をもとあった所に返したんだよ
涙がでたけど
その方がよかったんだと思う
きっと

そう思う


121 :ヒツジ:03/02/10 09:30 ID:NAenQBRB

 ― なんのために ―

一緒に暮らすあの人が
 輝く顔して連れてきた
  小さくふるえる ちいさな命

電信柱の街灯の
 毛布にくるまりダンボール
  ぽつんと小さな命があったとさ


 三日も経ずに
  小さな命は星になる


泣きながら 拾ったあの人 泣きながら
  この仔は何のために生まれてきたんだろう

なんのためには わからぬけれど
小さな命に注いだあなたの愛情は
きっと意味があった
なんのためには わからぬけれど
小さな命はあなたの愛情を知ることができた

僕はただ
 そう伝えたかった
 

122 :ヒツジ:03/02/10 10:53 ID:5J5E0bvB

 ― 間抜けな奴 ―

国事に奔走すべく
 カネ捨て
  名も捨て
   情けに報いる職につく

そうして気づけば
 後ろを気にする毎日だ
 背中を気にする毎日だ



  何を望んでいたんだろう


答えを見つけず
 応えも探さず
  いつものように
   どうして どうして


そうして今日も日が暮れる
 

123 :宝物の記憶:03/03/17 04:21 ID:cS6krNA/
風-地図-想い-軽口-海-桜-龍-蝶-目-言葉-
涙-涙-涙-涙-涙-空-秋-坂-ピアノ-公園-駅-ねこじゃらし-
貨物列車-こおろぎ-さよなら-地図-島-遠く-遠く-星-銀河



124 :名前はいらない:03/03/23 17:19 ID:l9t75F7w
 

125 : :03/03/23 17:27 ID:uIi8FJVw
[新しい死]
自分を信じたいヨ
何処までも生きたいヨ
あぁ…小さく輝く光ハ
暗闇の中にしか輝けず

126 :名無しさん@スカトロ議員:03/04/02 18:46 ID:loROWctX
誰よりも強い愛の心を持っている貴方を
愛を持たない人々が迫害する
皆を幸せにしようとするほど
貴方は幸せではなくなる
それが 神が与えた運命だというのか
基督のように苦しみを一手に引き受けるために生まれてきたのだろうか
私には何もしてあげられないけれど
今度は貴方自身が幸せになれるように
心からの祈りを捧げよう



127 :山崎渉:03/04/17 13:33 ID:h0xijIvJ
(^^)

128 :山崎渉:03/04/20 01:56 ID:3rQpfsMd
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)

129 :ヒツジ:03/04/20 23:23 ID:2ULuQ/zk

 ― どっちらけ ―

ほんとに悪りぃ奴 知ってンだろ?
指さして 声に出してみろってンだ
ほんとに悪りぃ奴
あいつだよ、あいつ

寄り合い所帯の町内会
なにをアテにしてンだよ
なにを期待、してンだよ
旦那は確かにうっとおしいが
ほんとに悪りぃ奴 知ってンだろ?
あいつだよ あいつ

旦那に頼んでなんとかしようか
町内会にはかろうか

だけどよ、ほんとに悪りぃ奴
あいつでいいんだろう?

ぶるっちまってンだ
知っているのに
ぶるっちまってンだ

ほんとに悪りぃ奴
指さすこともできず
ひたすら煙草を吹かして
会議、会議でその日を迎える
 

130 :ヒツジ:03/04/20 23:29 ID:2ULuQ/zk

 ― 勇 気 ―

暗闇を知り
 その中へ

明かりを灯せば
 それだけで

どんなにどんなに
 小さくとも
 
残るひとつの問題は
己の中の暗闇か
 

131 :ヒツジ:03/04/20 23:37 ID:2ULuQ/zk

 ― あぁ、カミサマっ! ―

うちひしがれて ひざまづき
 汚物の中に 面ァ ぶち込んで叫ぶ


 おらぁ ンなの ごめんさぁ


陽光を浴び 新緑に包まれ
 我と我が身が 生きている

 おらぁ ンな時 心から叫ぶさね

  
  あぁ カミサマっ! 
  ありがとう!!!
 

132 :ヒツジ:03/04/27 17:01 ID:KtUm061D

 ― 入院ぼうず ―

桜の花咲き、風に舞った花吹雪の頃
ドキドキしてたんだ
 どんな友だち できるかな

真新しい印刷の香りのいろんな教科書
ワクワクしてたんだ
 よぉし勉強がんばるぞ


頭に変なもん見つかり入院した
泣いた じたばたとして 泣いた


運動会も終わった頃 待ちに待った学校へ!
父ちゃん、母ちゃん 喜んだ
学校行けるね、って喜んだ
もう泣くことはなくなった!

あだ名がついた
手術の痕の頭を指されて
 アルツはげ

もう泣くことはなかった
そうして
笑うこともなくなっていた
 

133 :山崎渉:03/05/22 03:38 ID:R3rNNKvM
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―

134 :山崎渉:03/05/28 10:57 ID:gH/nLI1G
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉

135 :Mana魔名:03/07/03 22:26 ID:d96pvR45
宝石が手の中で輝く
物語の予感がしてる

136 : ◆KidfsT.L7k :03/07/06 17:56 ID:VyhQPPOz
・・・。

137 :山崎 渉:03/07/12 12:37 ID:NWO/CALS

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄

138 :ヒツジ:03/07/13 01:00 ID:USj/9hje

 ― 届いたコメント ―


 カラシニコフの向こう
 褐色の瞳は大きかった


もちろん問題なのは
子供にぶるっちまっうことじゃない
したり顔した奴らが言う
砂漠に俺らがいることでもない

問題なのは
子供の瞳が
真剣なことなんだ
 

139 :ヒツジ:03/07/13 01:12 ID:USj/9hje

 ― 誰か悩みを聞いてくれ ―

命は大事さ、わかっている
人の命と彼の命、両方大事さ
…わかっている

わかってはいても、今の俺には
彼の命が…いや、ちがう…彼の命のほうが…

わかっている、わかっているんだ!


っと、あんたは悩みを聞くだけでいいんだよ
俺がやることに変更はないんだから

なんにもできないこと
なんにも変えられないこと

もう、わかっているんだ
 

140 :ヒツジ:03/07/13 01:25 ID:USj/9hje

 ― どうしようもなく ―

いろんな奴らが、いろんなことを言ってら

いまよ、気持ち良さそうにテレビで歌ってるぜ
おまえとおんなじぐらいの年頃の奴らがよ
No1でなくていいんだってよ
Only One! だってよ

Only Oneであったことがおまえの悩みなのにな

まあいいや
今までどおり俺たちは
具体的なことを静かに着実に…

成功を祈ってるぜ
 

141 :山崎 渉:03/07/15 11:44 ID:7z6F/fGC

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄

142 :山崎 渉:03/08/02 01:40 ID:TahhWmQI
(^^)

143 :山崎 渉:03/08/15 14:06 ID:6uqIVx7n
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン

144 :ねほん ◆FSnm09kHak :03/08/16 18:08 ID:GAicscZo
『4時にお昼ね☆』

せんぷうきに絡まったボクの精液
ハンガーに吊られているクマ次郎
その瞳でボクを見つめているの それとも こっち?

145 :ねほん ◆FSnm09kHak :03/08/16 20:44 ID:GAicscZo
『大人になりたくないお隣さん』

SEXなんて知らなくて良いのさ〜♪
愛なんてない方がいいよー
チーズこねまして 何もしらない子供のままでいてね
コードに引っかかっても泣かないでね
ボクの青いボール月まで飛んでいけ!☆

146 :kaolin:03/08/16 20:53 ID:Snc89/YD
へんなスレッド!







アンタたち、おかしいんちゃう?

147 :ねほん ◆FSnm09kHak :03/08/16 21:00 ID:GAicscZo
ここが2ちゃんねる

148 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

149 :ヒツジ:03/11/09 00:31 ID:ABFK/i0A

 ― 兵 へ ―

己の存在を否定するものへの忠誠は、
 抽象の世界に拘泥する
  生白い輩とは一線を画したものの
   捧ぐべき対象は曖昧となり
    誇るべき歴史とは切断され
     自らの存在を貶めている

ステッキを持つ小太りの男の薫陶を受け
政治を語らぬ寡黙さは、
 責任の所在を隠蔽し
  義務の厳かなる美は拡散し
   字面だけの任務が語られ
    役所のような業務に墮した


かくして自己犠牲の美は
仲間内で愚痴を言い合う
心地良い肴となる
 

150 :ヒツジ:03/12/05 01:19 ID:JaCZZdma

 ― 不思議な男へ ―

 説明する責任があるっ!

 説明する義務があるっ!


 説明はなされず、なされても
 殺害された
 殺害された
 殺害された


 幕は開いたのだ、諸君!
 

151 :ヒツジ:04/01/01 00:33 ID:FfoonMxh

 ― 軽やかなる悲壮 ―

髭を蓄えた男は子供を抱いた
目を見ひらき 揃え始めた髭を握る 子
子は、
子は、笑ったように思えた

男は微笑むとこの頭に手を、
手を置き、激しく撫でた
ボールでも磨くように、激しく
撫でた

 さて、そろそろ時間だ

立ち上がった男は
髭を蓄え始めた男は
放屁をし
そうして 立ち去った
 

152 :ヒツジ:04/01/02 23:33 ID:K04PACl2

 ― この時代に生まれて ―

開けたのか開けられたのか
とにかく開幕の瞬間を迎えて 今
思うことは
願うことは
祈ることは
4分の1の豚になりてぇ

自分探しだのと
自己表現だのと
バラけていた豚どもの中にあって 今
俺は果たして
4分の1の豚になれるのだろうか

昏倒せず
萎縮せず
呆れることには
おっ死んでしまう豚どもの中にあって 今
俺は
慌てふためき駆けずり回る
あの豚に

俺は、なれるのだろうか
 

153 :ヒツジ:04/01/04 13:01 ID:u02ysYNa

 ― プロフェッショナル ―

 知的な会話のために 書を読み
 逃げ道確保のために 女を抱く

 意識の途絶を恐れて 酒に強く
 この先保身のために 賭に勝つ

そんな男が唯一許したモンテクリスト


 来月あたりにシガーも消えよう
 

154 :歌川からす ◆lXZBPVO3GQ :04/01/05 19:13 ID:bgsIsHK2
>>153
モンテクリストのことは知らないけど、
前半が宮沢賢治の『雨にも負けず』を
丸っきり逆にしたみたいで面白いね。

155 :ヒツジ:04/01/10 01:55 ID:yXMGdJLb
>>154  ― 背伸びの頃 ―

暖色系の照明は、ただ、足元のみにあった。
わたしは、なにやら安物の靴がひどく
恥しくなった。

包み込まれる柔らかなソファーは、ただ、
あまりに低いような、そんな
気がするのだった。

座るなり、わたしは問うた。

  で、シェストフの件だが……

片目の潰れた男はさえぎるように尋ねる。

  ま、シガーでもどうだね

さし出されたのは、モンテクリストのbR。


以来、6年間に及ぶ付き合いだ。
 

156 :ヒツジ:04/01/10 01:57 ID:yXMGdJLb

 ― タクシー =男の風景= ―


 テールランプだけ見つめてた
 
  レッドとオレンジ
  ゆらゆらと


  雨でもないのに 冬の夜
  レッドとオレンジ
  ゆらゆらと
 
  ちいさく ちいさく
  いつしか黒に溶けこんだ
 

157 :ヒツジ:04/01/10 01:58 ID:yXMGdJLb

 ― タクシー =女の風景= ―


  バックシートに独りきり
  鏡でのぞく 泣き顔の


  ひとつ ふたつと 曲がり角


  化粧をなおし いつしか眠る


  いつものように明日の朝の
  夢をみる
 

158 :名前はいらない:04/01/26 05:44 ID:0XuIbvjm
ヒツジさん、久々だなあ、、、。
作風変わったね、でも、嫌いじゃない。

159 :ヒツジ:04/01/31 18:49 ID:auPnpNgN
>>158
 ― 田舎モンより ―
 
 あンひと、あたいンこと さん付けで呼ぶッさァ

 あンひととはなすッと なァんか胸が
 くるしくなるッさ
 うれしくッてね

 不思議なことないッさ

 あンひと
 やさしいんだもの



ありがとう
 

160 :ヒツジ:04/01/31 18:51 ID:auPnpNgN

 ― 独りで一人を考える ―

 火を点して思う
 「煙草があるから、これがある」

 一服吹かして、男は思う
 「俺がいるから、煙草がある」

 そうして男は
 最初に一なるものをおいてみた

    ぐあいは良い

 ぐあいは良いが
 そんな世界はクソッたれだと
 男は水を流して便所を出る
 

161 :ヒツジ:04/02/08 00:23 ID:Etq2H5+C
 ― 賛美歌第320番を歌った夜に ―

生まれたときから
 父親のいない人生でした
だから
 母を心底厭う
  わたしなのでした

あなたはおっしゃいましたね
  どうにも不思議なひとがいるもんだ

ドラマや映画は現実とは違う
 早くに気づいた わたしなのでした
だって
 お金持ちの方が貧しい人々より
  ずっと優しいんですもの

あなたはおっしゃいましたね
  どうにもひねくれた人がいたもんだ

いま、わたしはあなたに感謝しています
なぜって
わたしのたった一つの願いごと
この世でたった一つの願いごと
それをあなたが叶えてくれたのですから
涙を流して、大きな声で歌うあなたは

 そう

  ずいぶん不思議な人ですよ
 

162 :ヒツジ:04/02/08 11:49 ID:LLxHG45q

 ―  泣 く  ― 



 ねえ、きみ

 そこでもはやり

 言葉は無力かい?


 きみの残した言葉たちは いま
 こんなにぼくをつかまえているのに

 
 ねえ、きみ


 なにか なにか 返事をしておくれ


 どうか どうか 返事をしておくれ
 

163 :ヒツジ:04/02/09 00:01 ID:w35pM3vt
 
 ふりむけば

 手向けた言葉は やはり
 はやり言葉になっており……

 彼の地であなたはクスクスと
 上目づかいにクスクスと

 ぼくは頭をかきながら
 実は必死になってとり繕った
 

164 :ヒツジ:04/02/09 00:02 ID:w35pM3vt
 
 ― くちぐせ ―

 かっこいい きれい かわいい
 あなたは使わなかった
 
 あなたは
 
  美しい
 
 と口に出せる人でした
 

165 :ヒツジ:04/02/15 10:42 ID:GTgJe+oP
 
 ― 風景にすらなりゃしねぇ ―


 ちんちん ドンドン チンどんドンっ!

    るぁ〜ヴ えん ぷぃ〜ス
    ぬぉ〜 もぉ〜わ おぉぉ



 ちんちん ドンドン チンどんドン

    じえっったいわー
      イラクの人おー
        くぅおるぉすぬぁ〜〜〜



 ちんちん ドンドン チンどんドン
   ちんドン
     チンどん
       ちんどんドン……
 
 
 

166 :ヒツジ:04/02/18 00:53 ID:+k83gEtm

 ―  ルーキー  ―


理想を語っているわけじゃねぇんです

できやしねぇことの理由なんざァ
 誰でも挙げれるでしょうに


愚痴ってるわけじゃねぇんです

仕事がしてぇんです
 奴ら相手にわたりあえる
  そんな仕事がしてぇんです


言葉が聞きてぇんじゃねぇんです
ちょいと意志ってぇもんを見つけたかったんです




   ここにもねぇかもな
 

167 :名前はいらない:04/02/18 02:31 ID:3u0ZMXws
あなたを見ていたい           それは無いものねだり
その場にいれる時だけ         求めちゃいけない
裸を見ていたい              分かり合うとか
言葉はすぐに色褪せる          信じ合うとか
                       そんなことどうだっていい
あなたを見ていたい
その場にいれる時だけ         だけど
寝顔を見ていたい            どんな想いも
言葉はすぐに色褪せる         必ず私は胸に刻むから
                       遠ざかっても
どんな想いも               いつでもあなたに会える
必ず私は胸に刻むから         抱き合える
遠ざかっても
いつでもあなたに会えるんだ      どんな想いも
どんな時でも               必ず私は胸に刻むから
                       遠ざかっても
そんな                   どんな時でも
あなたを見ていたい           いつまでも
その場にいれる時だけ
笑顔を見ていたい
言葉はすぐに色褪せる

168 :ヒツジ:04/02/22 00:56 ID:tgq3oosh
 
 ― 思うのみ ―
 
おとうが最期に言ったんはな、
 あれは立派なもんや。
 わしゃ、あれを認めとる。
 だから、おまんら、
 あんま、あれを、悪ぅ、言うたるな。


そんな言葉を聞かされて
 ぼくは今も変わりません

そんな言葉を残されて
 ぼくは何も変わりません

褪せるどころか ギラギラと
喉の奥底 燃えています

落ち葉の重さは ずっしりと
胸の奥が痛いのです

なのに
今のぼくは変わりもしません
 

169 :ヒツジ:04/02/22 00:57 ID:tgq3oosh
 
  ― 罪 ―
 
いつも真夜中 発射筒
人死にもなく
いつも真夜中 発射筒

革命 二文字 手垢にまみれ
打倒を唱えて壊しもせずに
 犠牲も出さずに夢を見る

届かぬ言葉に力があるかい?
 他の言葉はどうでもいいや
  思う存分使っておくれ

二文字だけは お願いです
使わず 汚さず 守っておくれ
 
詩人と青年 次代のために
二文字だけは お願いです
 

170 :ヒツジ:04/02/29 00:26 ID:N9MxmKoZ
 
 ― 凡人の夢 ―


 嫌いになった
  とことん自分のことが
   嫌いになった

 嫌いになって
  嫌いになって
   嫌いになった自分に
    酔っ払う


 世界が変わったわけでもあるまいし
 自分が壊れたわけでもない


 地べたに転がり ぶつくさ呟く酔いどれは
 馬鹿にもされず 拍手もされず
 しんっ、と静まる頭の中で
 酔った自分に酔っ払う


 あゝ 自分が嫌いになれたらいいのになぁ
 

171 :ヒツジ:04/02/29 00:27 ID:N9MxmKoZ
 
  ― 少 年 ―


 戦車に乗りたい
 でっかい音をぶっ放す
 どんなところも突っ走る
 戦車を運転してみたい

 戦争? 違うよ、違う!
 戦車だ、戦車!

 戦争なんて関係ないね
 戦争なんて良くないもん


 ぼくはただ

  戦車に乗りたいのです
 

172 :名前はいらない:04/03/01 11:36 ID:zT9Te5M5
ttp://www.innocence-movie.jp/comingsoon/wm_480.html

173 :名前はいらない:04/03/04 23:15 ID:vahysXNI


174 :ヒツジ:04/03/06 19:04 ID:WwA/ewaQ

   ― 決 意 ―


日本の歌を唄ったのだという
 ふたりっきりになった時だけ
  周りに聞こえぬ小さな声で
日本の歌を唄ったのだという


月を見あげて唄ったのだという
 独りぼっちの真夜中に
  おんなじ月を見ているはずだと
月を見あげて唄ったのだという


奔走する人々をもたぬ
 家族も 友も 誰もいない
  そんな人々のために

ぼくは月を見あげて詠います

呟きにも似た声だけれども

ぼくは海の向こうに誓うのです



175 :ヒツジ:04/03/08 00:28 ID:fZ8QhhRa

   ― グレーの背中 ―

 跳び乗り跳び降り乗り継ぐメトロ
  壁のかわりのショーウィンドウ
   香水 酔いどれ 明滅ネオン
    春売るオンナの路地の石畳


 突如男はしゃがみこむ
 足もとには野良猫一匹


 舌打ちしながら駆け出すバディ
 振り向く刹那の男の背後をとって
 見飽きたグレーの背広をずり下げる

 男の顎はバディの右手におさまり
 男の頭をバディの左手がわし掴む
 そうしてその両の手は

    急激な半円を描いた



 ほんとに餌をやっていたようだ……
 男の傍らに転がるチーズを震えながら指さす私にバディは呟く

     こんな仕事もある
 

176 :名前はいらない:04/03/13 01:02 ID:ggApPjbK
宝物をおいて、旅に出る。

177 :ヒツジ:04/03/14 13:49 ID:7avTf5aW

  ― 花売りばあさん ―


 春先 シベリアあたりを旅すれば

    花束握ったバーヴシカ


 この花なあに? と聞いてみる


    ツヴェトーク!


 にこにこ一言バーヴシカ
 花だと答えるバーヴシカ
 こまってオイラも にっこにこ

 花束つきだすバーヴシカ
 鼻先うずめて花の香りを楽しんで
 にこにこオイラも一言さけぶ


    まさに花だ!
 
 
 旅先 オイラが手にした 宝物


178 :ヒツジ:04/03/14 13:51 ID:7avTf5aW

   ― 同級生 ―


 体がでかく声もでかい
 初の女子の応援団長
 カズミ、あれは小学6年の秋


 不細工だからってそれが何だ、あ?
 男子の襟首つかんで拍手喝采
 カズミ、あれは中学2年の冬


 姿はなくて噂が届いた同窓会
  イジメられてるンだって
  いつも独りぼっちらしいよ
 カズミ、あれは高1の夏休み


 終電を気にしながらの中途に僕は見ました。
 声をかけなかった僕の心は、
 優しいのではなく、
 冷たいのではなく、
 ただ、ただ、淋しいのでした。


 薄着に羽織った毛皮のコート
 故郷を遠くに離れてひとり立つ
 カズミ、東京は歌舞伎町 冬の夜
 

179 :名前はいらない:04/03/15 02:33 ID:MRad7W/0


180 :名前はいらない:04/03/16 00:00 ID:2ZbDeX4B
もう慣れちゃった
「新着メッセージなし」の表示
もう何度クリックしてみたかな
ため息も出なくなった
ただ機械的に押してみる
貧乏ゆすりみたい

こころは揺れない
ときどき泣いて
それでおしまい

もう慣れちゃった
貧乏ゆすりみたいな涙


181 :名前はいらない:04/03/16 18:39 ID:IefQKRTQ
あげ


182 :遊阿 :04/03/17 00:09 ID:YrMpi5QA
風の音も木々のざわめきも
今はとてもうるさく感じる

こんな夜は苦手なんだ
一人ではないと わかっている
わかっているけれど

こんなに君を求めるのは
何故だろう

ヒツジと戯れる布団の中
ふと 大切なものに気付く



183 :ヒツジ:04/03/20 22:37 ID:9YGixED3

  ― 期待ハズレ ―


 ゆすったところで貧乏人
  ポッケをひっくり返して裏返し

 涙のひとつも出りゃいいが
  ポッケをひっくり返して裏返し

 あたりをつけた言葉は舞って
  描いた模様が 我が身を映す

 かっこのイイ奴ぁ 泣きゃしねえ
  ポッケをひっくり返し
   肩をすくめて
    鼻ほじる


184 :ヒツジ:04/03/20 22:38 ID:9YGixED3

   ― こんな夜に ―


  半身を求めて彷徨うエロス


 ソクラテスを蹴飛ばして
 アリストパネスを抱きしめる

 あゝ あなたは学者ではなかった
 あなたは その夜まさに 
 詩人であった


185 :ヒツジ:04/03/20 22:40 ID:9YGixED3

 ― 都会の空の飛行船 ―


 電車の窓枠 絵画の額縁
  高層ビルの真ん上たかく
   空の青地に雲の白
    光を返して銀色の
     ぽっかりひとつ
      飛行船


 切り裂く絶叫 振り向けば
 いつかどこかで出会った女の子
 窓におでこを押しつけて
 同じ宝を見つけて奇声をあげる
 
 舌打つ周囲に頭を下げて
 小さく叱る少女の母親
 宝を見つけた少女に微笑んだ僕に
 傷つけられたかのような母親のまなざし


 僕は突然に思い出す
 むかし田舎に住んでいた頃を
 近所にあった学園のあの子供たちのことを


186 :ヒツジ:04/04/03 02:07 ID:VPiO+Eno



  ― のどかに咲く花 ―



   屋敷の中の 一本桜

     その根もと

  見あげて微笑む車椅子の人
  うつむき微笑む後ろに立つ人



  それでも桜は散るのでしょう

 

187 :名前はいらない:04/04/04 03:08 ID:4SXzI/iV
>>186
なんか、泣きそうになった……。
キレイね……。って思って……。それから……。
私自身の影が過ぎって……。
泣きそうになった、よ……。

188 :ヒツジ:04/04/04 10:39 ID:QzYRBALc
>>187

  ― ふたたび咲く花 ―


  あふれた涙はこぼせばいい
  桜を見るたび流せばいい

  そのつど生まれる心に中に
  消えずに見つかる宝物 



    花咲くころに
  
    あいましょう

 

189 :ヒツジ:04/04/04 10:40 ID:QzYRBALc

    ― 涙の意味は ―


 グループ分けの時に
  いつも最後まで残るのが彼女でした
 
 席替えをしても
  いつも最前列中央が彼女の席でした

 学芸会の時
  いつも石や草木役の彼女でした
 
 参観日の時
  いつも彼女の家はお婆ちゃんでした

 バイキン鬼ごっこの時
  いつも彼女の持ち物が使われました

 そんな彼女です
 笑うことはありませんでした。でも
 泣くこともありませんでした。

 なのに 卒業式

 彼女は泣いたのです

 

190 :ヒツジ:04/04/10 01:32 ID:8qMgLkdn

   ― 自称ジャーナリストへ ―


 ずいぶんとお金がたまるらしいですね
 昇進するのが早くなるんですってね
 あまり役に立っていないらしいですね

 出されたマイクに丁寧に答えるエライ人
 その脇で
 警護にあたるニキビ面した兵士は無表情


 ニキビ面は母とふたり暮しだそうな
 母はこう言って送り出したそうな

   名誉なことだ、頑張っておいで



 報じてみなよ 報じてみなよ
 ま、
 報じなくてもニキビ面は頑張るけどさ
 

191 :ヒツジ:04/04/10 01:33 ID:8qMgLkdn
 
   ― グラウンド ―


 イベリアの半島で列車が爆発
ユーフラテスでの幾多の殺害
 スタンドでは右も左も大合唱

  ほれ 見たことかっ!
  だから私は言ったのだ!


 その日が来たらと期待しながら
 スタンドの右も左も準備は万端

  ほれ 見たことかっ!
  だから私は言ったのだ!


 そんな声に囲まれて
  汚い期待に囲まれて
   覚悟をつけたあのひとたちは

 
 しずかに旗を立てました
 

192 :ヒツジ:04/04/10 01:34 ID:8qMgLkdn
 
   ― 禅問答 ―


  年の離れた姉弟が溺れています。
  さぁ、どちらから先に助けますか?

 坊主の問に大人らは
 口角泡を飛ばして大議論
  

  近い方から先に助けるのです。

 坊主の答に大人らは
 なるほど、深い、と膝を打つ


  でもお坊様は泳げるの?
 
 少年の問に大人らは
  まだまだお前には難しすぎるお話だ。
  あっちで遊んでおいで。


 その少年は後年
 陸上自衛隊員になったという


193 :ヒツジ:04/04/17 20:40 ID:/CBcQJfJ


 ― 碁仲間 ―


 
 位牌を前に ひとり
  遺された碁石に指を入れる
   
     カシャリ


 いつもの碁盤に石を打ち
  ひとり 遺影をみあげる

    パチンッ


 かわいた音はつづきもせず
  ただ
  すすり泣く音のみ



194 :ヒツジ:04/04/17 20:41 ID:/CBcQJfJ

    ― 困難な道 ―

 眩しくて
  見えなくなることありますか?
 明るい白さに耐え切れず
  後ろを向いて影を認めてホッとする
   そこには無数の愉快はあるけれど
    満足できない 満足できない

 そう、ぼくは


 




      眩しくて








  見えなくなること知りました


195 :ヒツジ:04/05/09 23:54 ID:gxPssg/5

 ― クリミアの墓地にて ―


 額のど真ん中
  デカいほくろの男が嗤う

 血汁の滴るステーキを頬張り
 三色そろった女どもを侍らせ
 仕立てのブラウンスーツは
 なるほど、板にはついている。

   結局ここだよ、ここ

 てめえのほくろを指しながら
  でかい声で一通りの自慢話のあと
   神妙に小さく囁くほくろの男



 2発だったという
 とどめはもちろん心臓だったが
 初弾は額をぶち抜いたという

 俺は花を供えながら
 やっぱりな、と独りごち
 くくくっ、と
 わらった
 

196 :ヒツジ:04/05/15 18:55 ID:yDyKIrNX
 
    ― 喜劇か悲劇か ―
 
 
 走った

  上着を肩に引っさげ
   カフスを外してまくり上げ
    緩んだ白のタイから飛び出る鼓動の音

 坂を前に止まる
 ブーケを握るあいつの笑顔が見たいのか?
 伝えるのか? 偽りの祝辞を
 伝えてきたのか? 真実の言葉を

 戻れないことを知った今
 来た道を戻る
 ふたつにわかれた未来を知った今
 来た道を独りで


 振りむけばそこには
 打ち鳴らされる鐘の音があった
 

197 :ヒツジ:04/05/30 01:05 ID:NFEWjoSj

  ― 赤坂の夜 ―


   キスはしないの

 ありきたりの淫売のセリフに
 チープな誇りを満たす男を想う

 列島と半島をまたにかけ
 ふたつの名前をもつあの男

 突き上げさせた尻の双丘を握り
 打ちすえながら俺が見ていたものは
 首をへし折られたあの男

 淫売の髪をわしづかむと俺は
 おんなじように首を、淫売の首を

 前のめりにキスをしながら
 貪るように舌をかき入れながら
 淫売よりも震えているのが俺だった


   震えている? 俺が?
 

198 :ヒツジ:04/06/07 14:54 ID:K3cC9RBb

 ― 慟 哭 ―

朝鮮男と日本女の間に生まれた。父は強く母は優しく、妹は可愛かった。チョン公と言われた。
母親もチョン公と言われた。朝鮮語がわかるのは父だけだった。家族全員チョン公と言われた。
楽園に行った。中学生だった。嫌だった。父は喜んだ。母は黙っていた。妹はわからなかった。

楽園に着いた。山奥に住むことになった。ハンチョッパリと言われた。父はいつも怒っていた。
連行されて父は戻らなかった。チョッパリと言われた。言葉を覚えた。チョッパリと言われた。
貧しかった。食料を貰った。母が犯された。それを見ていた。泣きながら。楽園ではなかった。

頑張った。守るために。チョッパリと言われた。妹が嫁いだ。18才で。チョッパリの家だった。
母は……母は死んだ。お腹が減って。一人になった。ハンチョッパリの娘と結婚した。25才で。
男の赤ちゃんが生まれた。三人になった。妻が死んだ。お腹が減って。赤ん坊と二人になった。

疲れていた。川を見ていた。子供を抱いて。大雨の夜だった。飛び込んだ。泣く子供を抱いて。
目が覚めた。変な言葉が聞こえた。中国人の百姓家だった。子供はいなかった。ひとりだった。
ひとりだった。ひとりだった。ひとりだった。―――――― でも、なのに生きようと思った。

瀋陽に行った。外交官と会った。言葉が出なかった。日本に戻った。ひとりで。妹を呼ばねば。
お金を貰った。いろんな人に話をした。いろんな人が聞きたがったから。妹とは連絡とれない。
2年たった。いろんな人はいなくなった。ラングレーの人や桜田や市谷の人も。みんなはどこ?

いま、ぼくは、独りです。
 

199 :ヒツジ:04/06/12 12:28 ID:TRZ16smi

  ― 隠語名ネズミ ―


 バディからの着信音
 キムチとチーズの混じった臭い

 聴覚と臭覚に遅れること数秒
 視覚は灰色の上着をとらえた

 歯を見せながら笑いかける俺
 周囲を窺いながら頭を下げるキムチ野郎

  ケッ、呼び名のとおりだぜ


 奴との作為ある出会いを思い出し
 路地裏急斜の階段手すりに花をおく
 死因は頚椎骨折 葬儀は無し
 呼名にふさわしい死に様だったって?

 伝えるべき身内をもたぬ奴のために
 いま、ここに記す
  

  奴は野良猫が大好きだった
 

200 :ヒツジ:04/06/12 12:29 ID:TRZ16smi

   ― 裏切りの夜 ―


 あの人と出会った日は、そう、
 いつだっけ?

 愛していたわよ
 たぶん

 愛していたと思うわ
 だからこうやって……

 もういいじゃん
 だって
  ドラマじゃないんだもの
   映画じゃないんだもの

 あたし、あんたのこと
 …好きよ

 なんか、ドラマみたいだね
 そしたら、映画みたいだね

 だらから、
 ねぇ、
 
 キスをして
 

201 :ヒツジ:04/06/14 01:05 ID:Lt/XPNZ8
 
  ― 終わらぬ闇 ―

 
 仕事を終えて見舞った屋敷
 穢れた右手にオルゴール
 迎える人はすでになく

 古色を着飾る西洋人形
 木箱が伝える乙女の祈り
 見上げる人はすでになく


 あさもや運河にけぶり立つ


 その時刻

  祈りは
   か細く
    消え入った
 

202 :ヒツジ:04/07/10 00:20 ID:EeSHkxjp
 

  ― 砂漠で見つけた真実 ―



  死ぬことはヒロイズムで乗り越えられる。



  覚悟とは、

  人を殺すことだった!
 


203 :ヒツジ:04/07/10 00:30 ID:EeSHkxjp


 ― 代償なき報酬 ―


 粉のような砂が舞う中
  目を見ひらき
   地平を見つめる

 星におしつぶされそうな夜
  薄ら寒い光を放つ
   三日月に心惹かれる


 役人から武人になる瞬間……    


 短く刈り込んだ髪が円形に抜け落ちる多数の中にあって、
 白く銀髪になった男たちもいた。
  


204 :ヒツジ:04/07/11 02:22 ID:NLkaXHO/


   ― 希 望 ―



 右も左もわからぬままに
 イスタンブールでひと泳ぎ

 聞きやがれっ!

 ノスタルジックなじじいども
 うるせぇ字を書くビラ学生
 汚ねぇ声した日の丸野郎

 みんなまとめて
 おいてけぼりでぇい!


 ひとかき ふたかき バブルの申し子
 ようやくきたぜ
 ようやくきたぜ

  
 まだまだ走れるポンコツに
 キーをさし込み

 きのうにバイバイ



205 :ヒツジ:04/07/24 14:42 ID:sZBS9kT6

   ― 母ちゃん ―


 みんなが俺んち、遊びにくるぞ
 少年野球が終わったあとで
 みんなが俺んち、遊びに来るぞ
 すごいぞ、すごいぞ、すごいだろ



 汚ねえ家だとからかわれ
 なにやら臭せえと笑われて
 出した菓子には手もつけられず

 顔色 むらさき 震えたさ
 震えて ふるえて 何をした
 震えて ふるえて 何をした

 作ってもらったお菓子をぶちまけ
 内職用の塗料をぶちまけ
 ババァと叫んで飛び出した

 なのに か だからか

 こんな私が詩を読み

 こんな私が詩を詠む


206 :ヒツジ:04/08/01 22:21 ID:uYN9Cd4j

   ― オアシス ―


 陽射しを避ければ蝉の音
 腰をおろせばベンチの浮浪者
 煙草を吸おうと空っ箱

 うだる暑さにうな垂れうんざり

 気づけば足もと 
 野良猫一匹ハコ座り

 暑いが
 とても暑いが
 良い一日だった
 

207 :ヒツジ:04/08/01 22:22 ID:uYN9Cd4j

   ― 少 女 ―


 前髪を払えば伝わる熱もなく
 長いまつげは揺れもせず
 白い肌は象牙の如く

 枯葉のようにまくれた唇
 のぞく前歯は白いのに
 刹那を刻むえくぼはあるのに 

   微笑んでおくれ
   微笑んでおくれ


 私の流した涙が清いなら
 どうか無骨な指にも
 終油の秘蹟を
 

208 :ヒツジ:04/08/08 02:35 ID:uTn0thGG

   ―  理 想  ―



 太陽や雲を描きたかったのではない

 鳥や飛行機なんかどうでもよかった

 僕は、ただ、
 青空を描きたかった



 画用紙一面 青で塗りつぶす子供に嫉妬した



 それは海だったのだけれども


209 :ヒツジ:04/09/06 00:46 ID:Vtaw6to+


  ― 荒野の空に ―



  笑みも向けられず

  流された涙もなく

  ひとつの風が吹き去りました

 

  あゝ それでもあったか ピエタの聖母



210 :ヒツジ:04/09/06 00:48 ID:Vtaw6to+
              
   ― 石積み ―

  扉を前にして
  ワクワクしているのが俺だ

  扉を前にして
  どんな奴と出会うのだろう
  どんな顔をするのだろう
  いったい何を語るのだろう
  どうなっちまうんだろう

  扉を前にして
  ワクワクしている俺は
  幸福なのだと知った

  無数の扉が続くだろうが
  俺はワクワクできる
 
  俺は
  幸福なはずなのだ      
  いつでもどんな時でも

  幸福であるはずなのだ


211 :ヒツジ:04/09/06 00:49 ID:Vtaw6to+

 ― クラコフ郊外の敷地にて ―


 線路は途絶え 真っ直ぐなままに

 切り取られた髪は 房のままに

 敵意も憎しみもなく 言葉もないままに

 こんなことができるのだ……

 こんなことをしてしまうのだ!



 モノクロームの世界に佇み、
 嘔吐した昔の自分を懐かしむ。
 そんな俺は狂ったのではなく、
 理解したのだった。


212 :ヒツジ:04/09/11 01:39:33 ID:L9zO9i6a
 
   ― 落ちたミッション ―


 イリーナ
 まるで黄色い俺の指先が
 陶器のように冷たく白い
 頬に触れたらどうしてどうして赤くなる

 イリーナ 
 震える長いまつげの下で
 海と空を映して紺碧は
 打算で近づく異国の黒い瞳になにを見る 


  イリーナ、イリーナ、イリーナ!


 秋を迎えて冬になり
 それが過ぎれば
 イリーナ、おまえはトゥシューズを脱ぎ、
 俺は、俺は、ほんとうの名前を告げるだろう
 ようやく俺はイーラと呼べるだろう
  
 イーラよ、イーラ!
 ふたりで春を
 カシタンの花咲く春を!
  
  

213 :ヒツジ:04/09/13 00:25:28 ID:G9WuYGKr

   ― 新学期 ―


 大きな白いリボンをつけた幼子たちの
 晴れ着をまとって花束抱えた人々の
 頭上に吊るせ
 頭上に吊るせ


 歴史を持ち出し
  世界を分類整理して
   深刻面して理解する

 殺戮目にして
   深刻面してなに語る

 人なら涙を流してブチ切れろ
 めんどくせえこと持ち出す前に


  涙を流してブチ切れろ!


214 :名前はいらない:04/10/23 21:41:46 ID:X+Adml8/

”犠牲の羊”
贖罪の響きが漂う文字の中に
何故、誰の罪をこの羊が購うのかと
やるせない想いを感じる聖地にて
主の訪れを秘めやかに待つ。    -保守させてください-

215 :ヒツジ:04/10/30 21:14:36 ID:y1osFGwu

  ― 捨 駒 ―

 託された手紙を渡す

 読み終えたアル中は指を立て、吠えた

   こんなことがあるか、あ?
   俺は一生懸命やった
   何もかも犠牲にしてこの様か、あ?
   俺は一生懸命やった 
   ほんとに一生懸命やったんだ!

 言葉を解さぬふりをしながら
  背中を見せずにその場を去る

 私には、まだ、帰る場所がある
 さらには

 待つ人も





 ありがとう


216 :ヒツジ:04/10/30 21:15:56 ID:y1osFGwu

  ― エージェント ―


 元気か、アレクセイ。
 俺はすっかり
  風が吹けば倒れそうな体だよ。
 潮時だ。
 今までありがとうな。


 元気か、ワーニャ。
 もういいぜ、
  夢は夢のままで終わっちまった。
 潮時だ。
 間に合うはずだ、おまえなら。


 元気か、アナトーリ。
 どうやら本当だ、
  こぼれた酒はもどりはしない。
 潮時だ。
 愉快な時代だったよ。


  そうして俺の手元にあと2通



217 :ヒツジ:04/11/12 23:34:47 ID:MYUjz9qc

 ― ひとりになった ―


 立ち去り際のウインクに
 とどめを刺されて
 そう、ぼくは

 笑うのだった

 きのうまでを振り返り
 嘘と真実のごちゃまぜの
 ふたりを思って
 笑うのだった

 誰もが思うように
 ぼくらも不思議なふたりなのだと
 特別なふたりなのだと

 そんな短い夏を振り返り

 涙を流して
 笑うのだった


218 :ヒツジ:04/11/12 23:50:12 ID:MYUjz9qc

 とまらねぇ とまらねぇ とまらねぇ

 なんてこった
 なんてこった

 不思議だ 不思議だ 不思議だ

 どうしちまったんだ
 どうにかなっちまう
 どうにかなっちまったんだ

 壊れちゃいねぇが、崩れそうだ

  だれか、だれか・・・だれかじゃダメだ!
 そうだ、だれかじゃダメなんだ

 なぁ、頼む。もう一度、、、


 俺は弱いんだ
 虫けらみてぇに弱いんだ


 とまらないよ、
 怖いよ
 いやだよ


 イーラ!


219 :ヒツジ:04/11/15 23:27:27 ID:cRNIJewk

    ― 最後の男 ―


 手紙を読み終え 寡黙な男は
 レーニン帽を指先で押し上げ
 方眉を上げて俺を見る

 北国の空のような灰色の瞳に射すくめられ
 動くことができない

 芝居がかった仕草を腹の中で嘲りながら
 俺は
 動くことができない

 ようやく、ようやく男は言葉を発した


   腑抜けが伝えし潮時か

 
 言い当てられた
 動けなかった

 だから俺は

 逃げ出した!
 

220 :ヒツジ:04/11/27 14:04:21 ID:lhL0s2p/

  ― マリオネット ―


 魅せられて
 惹きつけられて
 踏み出す片足

 見上げた理由は憧れたから
 飛び跳ねたのは歓ばれたから
 踏み出したぼくを
 認めてほしかったから


  意思に気がつき 切ったんだ
  自由をのぞんで 切ったんだ


 宙ぶらりんで 言いきかす
 切られたくせに 言いきかす


 途方にくれて懐かしめ

  主に従う羊の群れよ



221 :ヒツジ:04/11/27 14:06:04 ID:lhL0s2p/


  ― 努力する男 ― 


 ムスリムを前に
  ウォッカを喉に流し込む

 コサックを前に
  盃を持ち上げ受け入れる

 こんな調子で

 日本人を前にして
  肩を抱いて頬をあてる
  

 
   それが俺だ



222 :ヒツジ:04/11/27 14:07:21 ID:lhL0s2p/


 ― 花模様の壁紙の部屋で ―
 
 
 抱きしめたあの肩はどこだ

 言葉なく話せた瞳はどこだ


 探りあいの駆け引の
  ふたりのはじまり
   レースのカーテン
    夕陽に焼けた

 カバーストーリゆえの
  語りあえた真実
   ソファーベッドは
    暖炉のぬくもり


 写真一枚すら残せぬ日々に
 色褪せたのは

 枯れることなき 造花の一葉



223 :ヒツジ:04/11/27 14:08:24 ID:lhL0s2p/
  
   ― 愚 痴 ―


 煙草を吸わぬどころか
 嫌う人

  せいぜいジジイを目指しなよ

 
 じぶん探しのひとり旅
 語る相手と

  比較を見つけて落ち着きな


 女性に優しい理屈者
 惚れた女を
 
  泣かす相手を殴ってみろよ


 とかなんとか斜に構え
 俺はいつもの居場所で
   詩を気取って


    呟いた

 


224 :ヒツジ:04/12/11 11:42:17 ID:DAqX0rC2

  ― 青の香り ―


 等身大ってなんだ?

 目に映る自分を知ったあの頃
 ギャップを埋める努力は無駄なのだと知る


 ギャップに悩むやつは死ねばいい

 階段を一つ登ったつもりの諦観は
 思えば上を見あげた寂しきいいわけ


    哀しいな


 ありゃしなかった、そんなもの

 それでもやはり聞いてみる
 なあ、

 等身大ってなんだ?
  

225 :名前はいらない:04/12/12 14:10:44 ID:eUZbhK90
>>224

数学の問
解からないと感じることが
理解への曲がりくねった入り口でした。
解からないことに頑固でありたい。
解かったと心底思うまで、解からないままにしがみつき、
解かろうという努力を捨てまいと思います。
知らないという事を知る事ではなかろろうかと一つには思います。

(”贖罪の羊”より、お久しぶりです。)

226 :ヒツジ:04/12/17 23:13:48 ID:mrnRNqUb
>>225

 ― 報いられないのなら
     それはまだ努力とはいえない ―


   一本足のスーパースター
   台詞を知って言えなくなった
   がんばった

    がんばれ、がんばる、がんばろう

   声を張りあげ、涙を浮かべる群れの中
   しらけて、肩をすくめて 抜け出した

   粋になったやつらも
   無粋になった理由は一つ


      結果がねえんだ


227 :ヒツジ:04/12/17 23:14:31 ID:mrnRNqUb

   ― つながれた男 ―


 髪に埋もれた瞳は開きもせず6年
 髭に埋もれた口は開きもせず6年

    6年!

 通訳は去り
  口は開かず
   日本人が囁き
    瞳が開く

 涙を流し 死んだという
 言葉も発せず 死んだという

 そんな男たちがいた
 そんな友情があった

 そんな物語を
 俺も
 引き継ぐ
 

228 ::04/12/23 00:51:56 ID:i3sfSesP
test

229 :ヒツジ:04/12/26 01:21:35 ID:55yw5UkJ

 試されたことを激励に、
 終りの一文字に生かされたことを知る。


   ありがとう


 偶然ならば、その偶然に。


230 :ヒツジ:04/12/26 01:22:47 ID:55yw5UkJ

    ― 花かご ―


 木皮で編みこんだバスケット
 溢れるようにつめこまれた花々の中
 プラスチックの雪だるまがひとつ

  よお、だるま、
   花に囲まれてやがって
   素敵じゃないか

 微笑みながら籠を手に入れ通りを歩く


 通りを歩く

 気づいた今日はクリスマス


  なあ、だるま、
   花に囲まれたって
   さびしいな



231 :名前はいらない:04/12/27 21:25:33 ID:99LvNOvX
黄色い目をした蝿がたかる夢の島から
宝物を発掘

232 :ヒツジ:05/01/22 19:31:44 ID:tc66Jqsn
 
  ― 出発の記憶 ―


 夢の島で目覚めた午前8時
 太陽は高くにあった

 ハエを追い払うよりもなによりも
 手をかざすしかなかった


 まぶしかったのだ

 
 なにもかもが
 

233 :ヒツジ:05/01/22 19:32:40 ID:tc66Jqsn
 
  ― 出発の記録 ―


 仮面をつけてボス気取り
 むかしのピエロの片割れが
 見抜いて名前を準備した

 名乗ったつもりが名付けられ


 最強を名乗る詩人が現れ
 殺られる前に活かされて
 はじめて言葉が溢れ出た

 詩が何かを垣間見た日々


 偽の道場通いつめ
 実の上司に見つけ出されて
 去ったあとには記憶も途絶えた

 虚構の中にも真理はあった


 言葉は生まれず
 溢れ出たのは精液ばかり
 点をつけられその気になって

 今年も地下で呟きながら
 言葉が溢れ出るのを待つのだろう
 

234 :ヒツジ:05/01/23 20:53:14 ID:nCDI6Kai
 ― ひとつのきっかけ ―

 手袋をはめながら卓上の写真に目をやる。
 まぶしそうに眉間にしわを寄せた少女の写真。
 おめかしをした服が窮屈なのか小首を傾げたその少女は
 可愛くははなかった。

    8つで逝ったらしい
    まぁ、ひとつのきっかけではあったな

 クローゼットに取りかかる相棒の言葉に続けて俺は言い放つ

    その程度のやつに任せた上のミスだ


 書類の山からクリアファイルを見つけ出して鼓動がはやくなる。
 「お父さん」と題したクレパスで描かれた男の似顔絵。
 舌打ちをしながら一緒に閉じられた手紙を読む。

     お父さん     1年3組 山下知子
   わたしのお父さんはすごいです。
   こわれたビーズメーカーをなおします。
   しゅうりやさんみたいになんでもなおします。
   でもキンムがあるのでたまにしか家にいません。
   だからわたしはキンムがきらいです。
   でもお父さんは大すきです。
   わたしがわらうとお父さんはいつもだきあげて
   かおをこすりつけるのはいやです。
   でも、お父さんがいるときはうれしいので
   わたしはがまんしてわらいます。
   お父さんはなんでもなおしてしまうすごい人です。
                            おわり

235 :ヒツジ:05/01/23 20:55:53 ID:nCDI6Kai



   コトリ


 微かだが、ほんの微かなものだが

 胸の中の何かが壊れた
 

 

236 :ヒツジ:05/02/05 01:14:20 ID:KLaUOOTN

   ― 埋もれ木の告白 ―


 「ゲーム」とぬかす一神教の奴らなら
 鼻歌まじりに押しちまうだろうさ

 意気地の無さを優しさに変えて
 スイッチの在処すら知らぬこの国を
 この人々を
 俺は大好きなんだ

 奴らと闘うために
 絶対正義とやらを身にまとってみるさ

 理論武装ではなく絞め殺されないために
 馬乗りになって計算高いまなざしで見下ろすために
 返り血を浴びながら口元に笑みを浮かべるために
 奴らと同じ土俵に上がってみるさ

 燦然と輝く誇りは無いけれど
 記録も記憶も残せぬけれど
 挑んでみるさ

 なぜって俺は
 この国が
 この人々が
 大好きだからさ


 ひと足お先にいってきます
 

237 :ヒツジ:05/03/12 10:02:55 ID:DRim801y

   ― 絶望詩人に憧れて ―



  先を熱く語れる奴が
   つまづく今に へし折れらァ


  砕けて カケラは そのまんま


  服が似合うンじゃねぇ
  似合う服しか着ねぇンだろ

  そんな奴が一匹 すすり泣いても


  ぜんぶがぜんぶ フリだった


  気づいて 涙は 今は無く
  ため息 ひとつ
  カケラに 紛れた


238 :ヒツジ:2005/04/08(金) 21:52:15 ID:lICdEhyv

  ― ふたつの人生 ―


 饒舌なのに誰もが知らぬ
 人気があるのに誰もが知らぬ
 目だけが笑わぬあの男

 小さな買い物が始まりだった
 おいしさに囚われて僕は、以来


   支配された


 目だけが笑わぬあの男

 手が染まり
 心が染まり
 世界を飛び回って

 今

 僕の目は笑いもしない 



239 :ヒツジ:2005/04/08(金) 22:01:01 ID:lICdEhyv

  ― 任務は突然に ―


 どしゃ降りの夜
 こうもり傘が訪れ
 本皮の鞄が開けられる

 そんなのが 似合うはずだった
 そんなのが イメージだった


 満員電車のつり革にぶら下がり
 鳴り止まぬ携帯電話にひんしゅくをかい
 小声で頭を下げならの途中下車


 片耳をおさえて携帯電話にしがみつく
 目に飛び込んできたのは満開の桜
 過ぎ行く人々に肩を突き飛ばされて
 目に飛び込んできたのは満開の桜


 こんなものだ

 咲いたあとから
  すでに風に舞う花びらがやけに多い
   平成は17年の春
 


240 :ヒツジ:2005/05/02(月) 21:20:57 ID:TihrLuB6

   ― 愛された日々 ―


 むきだしのコンクリートの公営住宅
 錆びついたベランダの手摺の
 不恰好にくくりつけられた
 小さな 小さな
 鯉のぼり

 私にも
 そんな日があった

 
 童謡のように大きな立派な友達を羨んで
 みじめで恥ずかしんでムスッと怒って
 不思議そうに哀しんだ父と母のまなざしを思い出して
 胸が締めつけられている私には
 何ができるのでしょうか
 

241 :ヒツジ:2005/05/14(土) 22:43:00 ID:vpyD3Jn+

  ― エアボーン ―


   降下、降下、降下!


 轟音で聞こえぬ声にせきたてられて
 飛び出し口の左脇のランプは青

 横なぐりに宙を舞い
  身に染みついた点検動作
   視界に飛び込むブーツのつま先

 バックカラーの青空に
  鼓動しか聞こえぬ静寂に
   磨きぬかれたブーツのつま先


   あくびが出るほど退屈だ

 そんな口癖のおまえもようやく泥にまみれたはずだった
 両腕を伸ばして首を鳴らす
 そんな幸せがあることをようやくに気づいたはずだった
 
 流れる映像では、歯だけが白く、きれいだったぜ
  
  


242 :ヒツジ:2005/05/19(木) 00:31:15 ID:yOgi/Tol

 ― おまえにしかできない ―

 クラスで飼ったトノサマガエル
  エサやり係に指名され
   毎日ハエを捕まえた

 夕暮れ母も一緒になって
  両手に母も網を持ち
   ふたりでハエを捕まえた

 必要とされたぼくは輝き
 楽しげなぼくに母は喜び
 ようやく居場所が見つかった

 ケンカになっていわれたよ
 小さなケンカで言われたよ

  汚ねぇ家にはハエしかいねぇ
  だからおまえはハエ捕り係
  だからおまえがハエ捕り係

 小さなケンカは大きくなって
 ゲンコツ握って何度も殴る
 そんなぼくの頭は真っ白け

 鼻血を流す相手もわからず
 何度も何度もしつこく殴る
 そんなぼくのまぶたの裏に

 手製の網もつ母の顔


243 :ヒツジ:2005/07/03(日) 10:00:19 ID:tP6ls3+S

   ― 予 告 ―


 対処から作為へ流れる中で
 冷たい戦を知る者は
  昔話のみを繰り返し
   若手の手法を嘆きながら
    舞台を去るのに躊躇しない

 海と陸と ふたつに分かれ
 漫画と映画で学んだ者は
  喜々とはじめた真似事で
   血を見て 死を見て
    怖れと期待でふるえてる

  舞台の上で ふるえてる 


  観客は知らぬまま
  動乱の年まであと二年
 
 

244 :ヒツジ:2005/07/16(土) 10:55:32 ID:m1DyGi80


    ― 自 殺 ―


 歯車の自覚をもって退屈と呟いたのは
 頭に意志があるのではないと気づいたからだ
 
 
 海へと向かう木の葉の孤独に耐えたのは
 大河の流れを知る身であると自惚れたからだ


 埋没してみよう
 
 そうして
 溶け込んでみようじゃないか

 絶対との合一に連なる
 あの系譜に

 


245 :ヒツジ:2005/08/06(土) 07:23:52 ID:xHjLFSln


  ― 笑われた典型 ―


 大黒埠頭
 見上げた空にカモメ無し
 
 静かに滑り入ったメルセデス
 ハンドポケットのピンストライプ
 くわえたシガーはドミニカ産
 
 足もとに 
 
 レイバンで表情はキープしたものの
 すかしたジョークは準備したものの
 忘れてしまった一輪のために
 両手をついて膝をつく
 
 
 大黒埠頭
 仰向く胸に 薔薇は無し
 
 
 

246 :ヒツジ:2005/08/21(日) 11:15:46 ID:hnz46YX8

― 飛び込み台を前にして ―

 ぽっかりあいた休日に
 六畳一間に寝転んで
 小さな四角の空を見る

 …やらなきゃならねぇ…

 胸に溢れた言葉は喉を絞め
 ケツについた火種はくすぶり
 小さな四角の空を見る

 …やらなきゃならねぇ!

 義務と虚栄が入り混じり
 溢れた皿に吸殻押付け
 汗ばむ手のひら夏ならず

 時間が解決してくれりゃぁいいのに
 このまま明日が来りゃいいのに
 空を見上げて
 
 違う明日にふるえてる



247 :名前はいらない:2005/10/03(月) 11:09:57 ID:gvK3BbCb
age

248 :ヒツジ:2005/10/15(土) 02:02:47 ID:BqsxEnRN
>>247

 ― ありがたし ―

 年齢あがって
    寿命が延びる
        こともあり



249 :ヒツジ:2005/10/15(土) 02:05:15 ID:BqsxEnRN

   ― 根無し草 ―


 愛を込めて可能性が叫ばれたところで
 ガイドブック片手に居所を求めたところで
 知ってるぜ、ほんとうは

  褒めて欲しいんだろう?

 認めてやるさ、だから、なぁ

 まずは自分で立ってみな
 進まなくてもそれだけで、ほら

 ずいぶんと景色は良いだろう?



250 :ヒツジ:2005/10/16(日) 01:46:41 ID:bKiKCKRs

   ― 窓際の男 ―


 水泡に帰しての満足に不思議はあるまい
 拍手を求めぬ行為への熱中が罪でもあるまい

 日がな一日頬杖ついて眺める景色
 関わりなく流れる周囲のそれは
 死者への弔いすらも忘れている

   望んだところだ

 呟いてみたところで黄昏までには数時間
 不安に押されて踏み出す一歩も悪くはないが
 眩しすぎた時を背負ったところで
 猫背の肩には重石にすぎない

 ため息を煙草の煙に紛らわせ
 格好をつけたところで
 背中は汗で濡れていた 




251 :ヒツジ:2005/10/30(日) 18:36:30 ID:vD0lfFLf

    ― ファミレスにて ―


 つま先は届かずテーブルにしがみつくように
 オムライスをかき込む男の子

 組み合わせた両手にあごをのせて見つめる女


    良い子にしてる?


 コクリとうなずく男の子


 女は、
 苦しそうに微笑んだ





252 :ヒツジ:2005/10/30(日) 18:37:31 ID:vD0lfFLf

  ― コーヒーショップにて ―


 どうだった?
  サイテー、シンブンショウガセイダッタ
 ショウガクセイ!?
  チガウ、チガウ、新聞を配って学費を払ッテイルショウガクセイダヨ
 ヘェ‐、ケナゲェー
  モウ、ダサクッテ、ダサクッテ
 ハズレダネ
  ウン、ハズレダッタ


   ゲラゲラゲラゲラ
      ゲラゲラゲラゲラ


 温かい珈琲を飲み残したまま、
  私は外に出ると大きく深呼吸をして、
   青空がまだあることを確認した。

 


253 :ヒツジ:2005/11/19(土) 10:28:22 ID:VcQZKv0f

  ― 読 書 ―


 偉大なる漢たちを知る

 血のたぎりを感じた私は
 失われた時を悔やんでいた


 偉大なる人生を知る

 生死に等価を認めた私は
 残された時間に感謝したのです




254 :ヒツジ:2005/11/19(土) 10:29:50 ID:VcQZKv0f

    ― シュハリ ―


 恥ずかしいから身にまとったのではない
  不安だったのだ

 自信があるから脱ぎ去ったのではない
  見て欲しかったのだ

 個性を唱えての不同意は
 結局
 奇を衒ったものだった



 相違への関心を無くしたわけ知り顔の平安は
  ぼくが年をとったからではない

 だって
 
 雑踏にまぎれた安心感を
  臆病だとは言わないだろ?




255 :ヒツジ:2005/12/16(金) 23:15:34 ID:OuCBD2J3


   ― ゆたかな社会 ―


 モノを求める周回遅れに
  眉をひそめてルールをあてがう

 餓死も身売りもテレビの向こうに
 こぼれた目玉も千切れた手足もマンガの中に

 株価を見ながらみんなで世界を語り
 ひとりになって求めているのが

    なんと なんと


       愛



256 :ヒツジ:2005/12/16(金) 23:16:50 ID:OuCBD2J3


   ― 出会ったふたり ―


 筋肉のきしみに限界を垣間見る
 水の在処を嗅ぎつける極限を知る

 眼窩に瞳が輝きながらも表情を無くした頃
 友情と連帯責任との違いはぼやけていった


 見せるための筋肉づくりに精を出す
 音楽を聴きながら健康のために走る

 人を眺めている間に自分を探し始めた頃
 実体無き過去の言葉の集積に心惹かれていく


 自らの意志で境界に身をおいた者と
 意思など必要とせずに自らを保持する者が
 まみえた刹那

 了解されたのだ


 金も名誉も目的としない生業

    同業者であると



257 :ヒツジ:2005/12/16(金) 23:17:53 ID:OuCBD2J3


   ― 出発の詩 ―


 変わること無き日常をおそれず
 必ず訪れる日々を宝に思う



  選ばないことも一つの選択だ

 そんな論理は置いていこう
 
 ひとつの終りが無数の始まりであると知った今
 きみは確かに一歩を踏み出した



258 :ヒツジ:2006/01/07(土) 16:42:48 ID:oAeyz6GO


 ― 白樺林の静寂 ―


 外套まとってオイルマン
  膝つき雪原にキスして
   スローモーション
  
 駆け寄る人もいないまま
  繰り返される望遠レンズの
   シャッター音


 シベリアの
 凍てつく空には木霊なく


  銃声のみが轟きました



 

259 :ヒツジ:2006/01/07(土) 16:45:39 ID:oAeyz6GO
  ― ロシアの娘 ―

 マロースの中を女は
 赤いマントを羽織って女は
 聞かせることを口実に
 
 朗々と暗誦するのだ

 詩集を抱える手袋の中で
 白い指が仄かに染まり
 襟巻きに覆われたうなじは
 前後にリズムを刻みながら

 朗々と暗誦するのだ

 瞳は

 瞳は白黒の中空に向けられながらも
 花咲きほこるシベリアの春を見
 映してだから
 緑なのだ

 薄っすら浮かぶ産毛の口もとは
 紅を差さずとも赤く
 溢れ出る女の詩は
 白いのだ
 風にかき消されても
 白いのだ 
 
 耳を閉ざして唇だけを
 嗚呼
 耳を閉ざして唇だけを

260 :ヒツジ:2006/01/22(日) 00:20:41 ID:ZxXo6/mw


  ― あなたの時間 ―



 似合うモノをと考えながら
 好みのモノをと思い出しながら
 自分らしさを表すモノをと気負いながら

 気付けば時計の針は一周半

 財布と相談することもなく
 隠れたメッセージの作為もなく
 ファンシーショップでうろつく姿


 いま 微笑をもって懐かしみ
 いま 唇をかんでうつむいた




261 :ヒツジ:2006/01/28(土) 21:33:20 ID:HLPvGQqW


  ― オルガンあるレセプション ―



 カシミヤに袖を通し
  ヘラを使って靴をはき
   タイの位置を気にしながら鏡の前

   迷彩に身を包み込み
    半長靴の紐を確認し
     どうらんを塗りつける指先の

 かつての緊張感を完全に思い出しながら青年

        的は?


 常に目標の選択は許されず
 かつてのように付与されるものなのだ 

 すべてはかつてのように


 欠けてはならぬ歯車であれば良い
 回った先が何処に行こうが
 なくては困るはずだと言い聞かせ

 グリーンアイに笑顔で右手を差し出した



262 :ヒツジ:2006/01/28(土) 21:34:21 ID:HLPvGQqW


   ― 大袈裟な夜 ―

   
   楽しけりゃいいんだ 

 毎日の積み重ねが一生なら
 それも悪くはないのだろう

 算数みたいな人生なら
 それは正しくもあるのだろう


 幸福な男が静かに目を閉ざしたとき
  走馬灯は苦難の青年時代なのでした

 うちひしがれた男がついに斃れたとき
  慰めは 無邪気に笑えた幼きころでした

 
 ぼくにはわからない

 わからないままに
  汗をかくことにしたのです



263 :ヒツジ:2006/01/29(日) 23:09:32 ID:bHqL80Er

    ― 懺 悔 ―


   島国を飛び出し石油商
   牛耳る男に臨んで最期

   準備不足と勇気を履き違え
   男らしさと孤独を取り違え


 照門をのぞく まなざしのまま
 合掌することもなく 撤収した

 息を切らしているのに震えもしない
 つまり俺は
 すっかり腐ってしまったのだ



264 :ヒツジ:2006/01/29(日) 23:10:35 ID:bHqL80Er

    ― 将校の孤独 ―


 自己満足と嘲られたストイックな修身の日々は
 なんのために

 根拠を求める官僚的戦術論議に背を向け
 字義通り自らの危険を顧みず
 滑稽に映ることを自覚した自己犠牲の日々は
 なんのために

 平時に学ぶ統率の要諦に疑問を抱きながらも
 自ら中へ

 同じ釜の飯を食べ
 同じ汗を流し
 しかし
 涙は流さず
 
 すべてはその秋のために



 魂魄の一喝にも似た号令を発し
 兵は動かず



265 :ヒツジ:2006/02/12(日) 23:42:52 ID:Y8mZ/AhX

     ― 再 会 ―


 ソニーやトヨタの向こうで かの国は
 最先端の眩さで
 不思議なのでした

 着物や生け花を通して かの国は
 古さを保持して美しく
 不思議なのでした

 だからと異国の少女は微笑んだ
 ワタシ ニホンゴ ベンキョウシテイマス


 興業ビザを握りしめ
  半裸で踊るダンサーは
   見飽きた視線に不思議も感じず

   下品な笑いを楽しげに
   下卑た笑いを楽しげに

 悲しむ視線を哀れと感じて悔しんだ
 むかし話に責めを嗅ぎつけ悔しんだ

 とどめを刺した一言は
 ぼくにもぽっかり穴を開けました


  今でも日本が好きですか?

266 :ヒツジ:2006/02/19(日) 15:09:34 ID:FKv0rAaz

  ― 名も無き者の応援歌 ―


   自分らしさを失うな!

 若者代表気取って兄ンちゃんが
  マイクを握って叫んでらぁ

   あるがまンまでいいンだよ。

 名前が知られて成功気取りの姉ぇちゃんが
  マイクを向けられ語ってらぁ


 気に入らねぇから 捨ててぇのによ
 気に入らねぇから 変えてぇのによ


 どっかりケツを落ち着けて
  流行りのセリフを慰めに
 
 どっかりケツを落ち着けて
  流行りの唄を口ずさむ


 耳をふさいでスクロール
 ボードに溢れた言葉につかまれ
 
 リュックに旅券を突っ込んだ!
 


267 :ヒツジ:2006/02/19(日) 15:12:03 ID:FKv0rAaz
 

 そうして

 俺のスクロールは>>225で止まり
 コクリと、ひとり、うなづいた。




268 :名前はいらない:2006/04/17(月) 20:02:54 ID:rt8zFpZP
危なそうなんで上げとくかいね。。

269 :名前はいらない:2006/05/03(水) 23:39:05 ID:GqC96XMp
職人さんたちが楽しくモノ作りができますように・・・・・・

270 :名前はいらない:2006/05/04(木) 22:35:04 ID:/6CzGXM9
職人さんたちが楽しくモノ作りができるようになりますように........

271 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/05/20(土) 22:29:32 ID:AjH5Ps43


     来た、見た、あった!



 マルボロではなくセブンスターをふかし、
 月桂冠ではなく、麦藁帽子を被って私は、
 迎える歓声もなき場所で、満足しながら、
 ひとりごつ。


272 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/05/20(土) 22:30:39 ID:AjH5Ps43

    ― 黄色い男 ―


 転がる黒い人々を カウントする
 動物でも眺めるまなざしの白い人々の中
 転がる黒い人々を カウントする

 むき出しになった歯は
 ひっくり返った眼球は
 顔を翳した手のひらは
 とっても、とっても白いんだ

 嘔吐している自分の肉体を知り
 まだまだ狂っちゃいないと微笑んだ
 
 その笑みが
 白い人々と似ていることに気づきもせずに
 
 

273 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/05/20(土) 22:33:57 ID:AjH5Ps43

    ― ファインダー ―


 64式から89式への装いを傍らに見ながら
 頬に伝わる床尾の温かさを忘れられず
 最も静かに撃鉄を落とす者として
 
 使われることなき7.62mmに愛想を尽かし
 自己犠牲と自己満足の矛盾を抱え
 ひっそり静かに生きる者として

 今は35mmを磨くのだ

 

274 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/05/25(木) 23:23:05 ID:wPG7abQc


    ― 連 鎖 ―


 犯され 撃たれて 斃れた女
 傍らに
 声をからして赤ん坊

 放っておいて いいのかい?
 途方に暮れてて いいのかい?

 人は寒い時にだけ ふるえるんじゃない
 人は怖い時にだけ ふるえるんじゃない

 人は
 怒ったときにも涙を流すんだぜ




275 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/05/25(木) 23:24:32 ID:wPG7abQc


    ― 平和の使者 ―



 他人のためにと装いながら自分のために
 必要とされる場所を目指して逃げ出した

 あなたの語る平和の論理は胡散臭い


 蝿たかる大きな瞳に魅せられて
 化粧をしながら差し出す綺麗な手

 あなたの涙は助けにならない


 一つの殺害を必要な犠牲であると言い切った今
 心痛む差別を必要な区別であると言い切った今

 あなたの手は必要とされるだろう


 その時はじめて語るのだ!

 流れる涙を疑うことなく
 ぼくらは強く抱き合える




276 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/05/28(日) 13:10:00 ID:360QMPBF

     ― 揉み消し屋 ―



 先生、あなたの顔は浮かびもしませんが
 あなたに呼びつけられて頭を下げる親父の背中は
 今でもよく 覚えています

 小さな背中を 小さく丸めた親父の背中を
 見つめるぼくのまなざしに
 先生、あなたは、気がつきましたか?


 先生、あなたの声はどこにも残っていませんが
 あなたに引き連れられて土下座した母の背中は
 今でも 夢に出てきます

 床に額をあてる 母の背中を後ろで見ながら
 こらえて滲んだぼくの瞳に
 先生、あなたは、何を見つけましたか?

 
 親の背中を見ながら子は育つというのであれば
 ほら、先生、

 ぼくは こんな大人になっています
 


277 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/05/28(日) 13:15:52 ID:360QMPBF


     ― 悲 鳴 ―


 夏の盛りに長袖姿の少年は 良い子です


 クラスのみんなの母親よりも
 一等若い母さんを
 クラスのみんなの前では自慢します


   テレビの音が大きすぎると
   ひとひねり

   牛乳こぼして ひとひねり

   痛いと言ったら ふたひねり

   生まれたばかりの妹に
   話しかけたら ひとひねり
   触れたら 強くひとひねり


 夏の盛りに長袖姿の少年は
  声を出さずに笑います

 夏の盛りに長袖姿の少年は
  涙も流さず
   泣きました


278 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/06/03(土) 20:35:50 ID:Gsg4v4o7


   ― タフガイの休日 ―


    猫のような女(ひと)だ

 言われてあなたの瞳は大きくなった
 うれしいのだろうと思って
 ギュッとあなたを抱きしめた

 腕の中あなたの瞳はテレビに向いていた
 悔しくなって唇を重ねたら
 スルリとあなたは抜け出した

 片ひざ立ててペディキュアの手入れかよ
 丸見えになったパンツも気にせず
 背中を丸めてペディキュアの手入れかよ

 舌打ちしながら頭を振ると
 男はいつものように
 台所に立つ



279 :名前はいらない:2006/06/06(火) 06:08:53 ID:qj9St3bF


280 :リーフレイン:2006/06/07(水) 20:48:28 ID:UbtaNWyE
突然失礼いたします。
実は、詩板本 2冊目 というスレッドにて、2005年に投稿された詩作品から
同人誌本を作ろうという企画を開催しております。
大変恐縮ですが、ヒツジ氏の ― おまえにしかできない ― を掲載させていただきたく。
掲載許可をいただけないでしょうか?
本は、7月2日の東京ポエケットにて配付の予定をしております。印刷部数は100部のみで、
利益は発生しません。(売価500円の予定) 6月14日までにお返事をいただけると幸いです。

281 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/06/10(土) 02:02:49 ID:Dcs8+RTe

>>280  ―  !  ―


    ……ポッ

    ……モジモジ……
    モジモジ……モジモジ

    ……コクリ




    ありがとう



282 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/06/10(土) 02:04:20 ID:Dcs8+RTe

  ― ベテランが堕ちた恋 ―


 あかぎれの手をした女には
  同情を匂わせもせずに愛を差し出し

 お抱え運転手をもつ夫人には
  スリルをまぶした恋をささやき

 施設育ちの少女には
  可能性という名の地図を広げて見せた

 それだけで
 求めるものを手にしてきた男
  引退間際にようやく普通の女を普通に愛した



 男との食事を中座して女は化粧室
 「予定通りステージ2に移行します」
 携帯電話で報告を済ませた女は
  男が自分の世界で見慣れた笑みを一瞬浮かべ

 決意を込めてルージュをひいた 



283 :リーフレイン ◆LeafL/oiO. :2006/06/10(土) 08:04:50 ID:OiWr37xv
>>281 アリガトウゴザイマス。。

284 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/06/12(月) 00:41:49 ID:zCa0udUg


 鬱蒼と茂る木々の谷間をひとり
 見上げても空は見えず、ただ
 みどり

 深緑の葉の上で休息した雨粒がひとつ
 合図のように落下した




285 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/06/24(土) 22:48:23 ID:6IsihYZj


  ― ハニー・トラップ ―


 ノースリーヴのタートルネック
 カラーは眩しいライトブルー


   欲情したのが俺の敗因だ

   違うわよ
   あなたが詩集を持ち歩いていることを知った時
   私は勝ちを確信したわ


 両手で頭をかきむしりながら男はベッドに腰かけて
 白い尻を左右に振りながら女はシャワーを浴びに行く




286 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/06/24(土) 22:49:39 ID:6IsihYZj

   ― 少女の想い出 ―


 外に出られるようになったなら
 動物園に行きたいと言うのです
 何を見たいか訊いたなら
 象が見たいと言うのです

   お鼻がとっても長いンでしょ?
   そうだよ。それに想像もできないぐらいに大きいんだ。
   想像もできないぐらい?
   ああ、そうさ、絵本とはぜんぜん違うんだ。

 外に出られるようになったなら
 猫と散歩をしたいと言うのです
 猫は難しいから犬が良いよと応えると
 だったら犬も一緒でいいよと笑うのです



 のこされた猫をひざの上にぼくは
 公園のベンチに座っています

 梅雨の合間の明るい空の晴れた日に

 のこされたぼくたちは
 ベンチに座るばかりです



287 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/07/01(土) 21:28:56 ID:sMKTKNQm

  ― もっと詩を! ―


 紫陽花に寄り添う蝸牛でもって
 梅雨をガッツリとつかみ出す
 そんなあんたに頼みてえ

 新調のシャツのビッシリのこのカビを、なんとかしておくれ。


 てめえの心をこのクソ鬱陶しい季節の空に重ねる必要はねえんだよ。
 だってそりゃあ、まったくほんとうのことじゃねえか。
 まったく真実のことなんざあ、俺でもすっかり知っているんだぜ。
 だからよ、
 紫陽花と蝸牛をつかみ出した人よ

 シャツにビッシリのこのカビを、
 ついでに
 解かっちゃいるけどモノにできねえこの俺を、
 どうにか、なんとか、しておくれ。



288 :リーフレイン:2006/07/06(木) 20:08:49 ID:vGz4DJIR
本デキマシタ arigatougozaimasu.

289 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/07/08(土) 01:22:53 ID:F5t8Zyzo

>>288

 ― Let's Read Aloud ―

  Coach luck course ,

    Do more regard !



290 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/07/08(土) 01:25:37 ID:F5t8Zyzo


    ― 神の視線 ―


 風が運んできたものは
  ずいぶん昔に机を並べたあなたの結婚


 思えば
 上を目指した幼き野心
   胸を張ってあなたの前に立つために

 言訳ばかりの拙い虚勢
   あなたをガッカリさせないために

 カタチにこだわる幾多の恋愛
   あなたの支配を忘れるために



 風が吹き去り残ったものは
 
  ひとり相撲のアホらしさ



291 :名前はいらない:2006/07/21(金) 16:09:50 ID:2qRdCHR7
すなはた(AP)

292 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/07/29(土) 00:08:57 ID:9kRUWxQG

  ― ササゲツツ ―


 急ごしらえの口髭や女性の肌を見せまいと必死な我らの姿をみて、
 嘲り笑う人々もいた。卑屈で滑稽である、と。

 我々が地元民と一緒になって共に糞尿の処理作業をする様をみて、
 眉をひそめる人々もいた。それでも軍人なのか、と。

 あらゆる地元民と接する度に笑顔をつくって手を振る我々をみて、
 呆れてしまう人々もいた。まるでNGOのようだ、と。

 髭を蓄え、女性の腕捲りを厳禁したのは、
 我らと異なる文化に対して敬意を払った結果である。
 モノマネと軽侮されながらも異なるものに排除心ではなく、
 好奇心をもって接することで自らのものにしてきた民族の、
 我らは確かに末裔であったのだ。

 地元民と共に糞尿にまみれたのは、
 将校と下士官が寝食を共にするのが日常の我々には当然であった。
 我々だけではない。
 雇用主と被雇用者との意識の相違が他国ほどには無いことこそが、
 我が国の人々ではなかったのか。

 笑顔で手を振ったのは、
 理解を求めるのならば自ら努力するのみと、我々は学んできたからだ。
 我々には目に焼きついている姿がある。
 違憲だ、非合法だ、と、存在を否定される大合唱の中にあって、なお、
 それら声あげる者たちのために、黙々と、まさに黙々と、
 身を賭して職務を遂行してきた我ら先人達の姿がそれだ。
 

293 :::2006/07/29(土) 00:10:18 ID:9kRUWxQG

 的になる、と揶揄された日の丸は、
 個々人が所持してきた、あるいは持たされてきたいかなる護符よりも、
 我々を護ってくれた事実、そのことを我が国の人々に、ぜひ伝えたい。

 ヤパーニ、と親しみと敬意をもって話しかけられることは、稀ではなく、
 むしろ度々であった。戸惑うほどに、頻繁な出来事であった。

 ヤパーニ、と笑みを浮かべる彼の地の人々にとっての想い出は、
 戦禍以前、病院を建設する際に発揮された我が国の職人たちの勤勉さであり、
 戦禍の最中、学校に文具や玩具を提供した我が国の若者たちの優しさであり、
 商談や雇用された際に上から見下ろすことの無い我が国商社員の目線であった。

 我らは武器によって守られたわけではなかった。
 我らは他国の軍隊によってのみ、守られたのでもなかった。
 我らは、我が国の人々に対する記憶によって護られたのだ。

 願わくば、我らの活動も彼ら先人たちと同じであって欲しい。

 10年、20年と歳月を重ねた先にあって、
 ヤパーニ、と親し気な声がかかった、まさにその時、
 我々は任務完遂の達成感よりも、はるかに大きな誇りを手にするであろう。


 以上、おわり。これをもって本隊の指揮を解く!



    捧げ銃の敬礼に対するに
    鉄帽にかざす五指を揃えた答礼は下ろされることもなく
    あたかも永遠に続くかのようであった
 

294 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/07/29(土) 19:13:43 ID:r0tQ81RL

 「 砂 漠 の 詩 」

 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/997715685/138
 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/997715685/150
 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/997715685/151
 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/997715685/165
 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/997715685/190
 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/997715685/191
 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/997715685/192
 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/997715685/202
 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/997715685/203
 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/997715685/204
 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/997715685/209
 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/997715685/241
 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/997715685/292-293



295 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/08/11(金) 00:56:54 ID:H11mGYZ/

 ― トレイン・トレインを聴きながら ―


 転校先にもおったよ 同じ子が

 みんなが楽しい時には 独りぼっちで放っとかれ
 退屈すると モノを隠され 探す必死な姿をモノマネされる
 以前のぼくと 同じ子が

 みんなにバレないように話しかけ
 バレないように一緒に探してあげたら
 その子の家に誘われた


 おんなじくせに 玩具をたくさん持っていた
 おんなじくせに 自分の部屋をもっていた

 不安にかられてぼくは あだ名をつけた
 はじめてできた友だちに
 不安にかられてぼくが あだ名をつけた
 ――父(てて)無し子


 トレイン・トレインを聴いたら涙が出たよ

 弱い者がさらに弱い者を叩いたんじゃない
 そこには一匹の卑怯者が立っていた
 ほどかれた封印の中には宝物はなく
 薄汚れて計算高い一匹の卑怯者が立っていた

 列車に乗れるわけがない

296 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/08/11(金) 00:58:00 ID:H11mGYZ/

  ― 沈 黙 ―


 数名のためにと宣ふた

 数名のために
 彼ら幾万人の方々は?

 御名を唱えし
 彼ら幾万人の方々は!


 立つ地が歪む ゆらゆらと
 空気が澱む ぬらぬらと
 
 こんなふうに
 革命前夜は静かにこっそり忍び寄る




297 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/08/11(金) 00:59:17 ID:H11mGYZ/
   ― あんちゃん ―

 パチンコ屋って、ほら、音楽流れてんじゃん。耳に入るんだよな、あれ。
 で、なんかそん時、俺の胸に込み上げるもんがあったんだよ。
 なんつーか、悔恨? そんな感じのやつ。
 涙が出そうなやつ。

 で、俺、詩つーの? ポエムってのを書いてみたんだわ、ここで。
 別にレスなんか期待していなかったし、誰かに読んで欲しいとも思わなかった。
 ただ、ほらあの込み上げる思い、つーの? そんなんで書いたんだよ。

 でもそれがダメだったんだろうなぁ。
 だってここ掲示板じゃん。俺の詩にさ、感想つーか、レスがついたんだ。速攻で。

 まあ、そのレス読むわな。だってほら、気になるじゃん。
 で、そのレスなんだけれども、結局そのレスがついただけで、
 どんどんそのスレ沈んで今はないんだけれども、
 まあ、とにかく俺のポエムにさ、一言だけついたレスが、


       はぁ?

 これだけだよ、これだけ。
 まいったね。いや、もうとにかくまいった。
 なんかさ、あの「込み上げた思い」つーの? あれ、どっか行っちまってさ。
 ムカつくけど、なんか、爽快つーの? そんな感じ。

 詩って、いいよな。
 読んでくれる奴がいると、
 詩って、もっといいよな。

 そう思った。

298 :ヒツジ ◆W7dzbxvu/s :2006/08/19(土) 01:15:03 ID:PgT+dsjT

 ― ラブレター ―

 親父が帰ってくる。
 嫌な気になる。
 どうせテレビのチャンネルを替えるんだろ?
 プロ野球と天気予報、それしか観ねぇ親父。
 親父、俺はあんたが嫌いだった。

 休日で親父が寝ている。
 いつまで寝ているんだと舌打ちをする。
 どうせ結局ひとりで出かけるんだろ?
 パチンコしか趣味のない親父。
 俺はな、親父、あんたを軽蔑していた。

 こんな俺だ。
 おまえを好きになった俺は、こんな男だ。
 だからおまえが理解できる。
 だから俺はおまえが好きなんだ。

 産まれたときから父親のいない、
 姉妹もいない、
 母親と二人きりで生きてきたおまえは、
 母親を憎んでいた
 母親を軽蔑していた

 なぁ、俺たちは似ているじゃねぇか。
 そんな目で睨むなよ、さあ、キスをしようぜ。
 目を閉じたって、耳をふさいだって、
 俺たちは、こんな俺たちは、何にもかわらねぇんだ。

 だったら、せめて、キスでもしようぜ。

299 :名前はいらない:2006/09/01(金) 10:15:00 ID:ihfjLePS
>>297
うむ

300 :名前はいらない:2006/09/02(土) 14:36:27 ID:6CrVSHfS

今、1308に居るというのが 分からんのか!

301 :名前はいらない:2006/09/02(土) 14:48:29 ID:9JD4AObG
http://5ch-net-w.bounceme.net/

http://5ch-net.bounceme.net/soc/

http://5ch-net.bounceme.net/readres-soc.cgi?bo=soc&vi=0034
http://5ch-net.bounceme.net/readres-soc.cgi?bo=soc&vi=0003
http://5ch-net.bounceme.net/readres-soc.cgi?bo=soc&vi=0005
http://5ch-net.bounceme.net/readres-soc.cgi?bo=soc&vi=0001


302 :名前はいらない:2006/09/21(木) 17:12:53 ID:vqR8fDfj
ベンチで眠っている人を
ベンツに座って眺める運転手

303 :ルルアンタ ◆Gv599Z9CwU :2006/10/19(木) 14:55:47 ID:v9JUdAfa
隣接した重力

131 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.04.00 2017/10/04 Walang Kapalit ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)